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ただのにっき


2006-10-02(月) [長年日記]

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あー、面白かった。1日で読んでしまった。たしかにサイモン・シンはすごいね。

とは言うものの、『フェルマーの最終定理』ほどの感動はなかった。それはなぜかと考えてみたのだが、それは「知ってる人が登場する話は面白さが増す」ということではないかと思った。

「知ってる人」と言っても知り合いというわけじゃなく、知識として知っているというだけなんだけど、自分が物理を専攻していたこともあって『フェルマー…』に出てくる数学者の多くは名前くらいは知っている。「ベルヌーイ」なんて名前が出てくると、それだけで鳥肌が立ってしまうわけだ(←流体力学は苦手だったらしい)。

しかし暗号となると、知ってる人名はシーザーの次はRSAの3人とジマーマンくらいである(というのは嘘で、バベッジもチューリングも知ってるけど、彼らに関する知識は暗号と結びついていない)。おまけに戦争が関わると秘密が多いので、なんともまどろっこしい。純粋に知識を追い求める数論の世界と、隠れて戦う暗号の世界では、感情移入の度合いが違うんだな。

さらにどういうわけか暗号の人は若死にばかりするので暗い気分になってしまう。おまけに、志半ばで死ぬのもつらいが、成果を挙げたのに公表できずに死ぬなんて、さらにつらい。オープンソースの世界に生きていると、こんな世界があるなんて許しがたいと思う。

ということで面白いには違いないものの、「胸がすく」というよりはちょっと気分が沈む本でもあった。そうそう、副読本には結城さんの『暗号技術入門』がオススメであります。

Tags: book
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