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ただのにっき


2021-12-02(木) [長年日記]

映画「ONE FOUR KENGO THE MOVIE」@イオンシネマ新百合ヶ丘

[写真]ポスターとかないので劇場の案内板にて

昨シーズンに引退した中村憲剛のドキュメンタリー映画。幼少期から学生時代、プロになってからの18年間の軌跡を、関係者のインタビューを交えつつ描く、想像以上に……なんて言うと失礼になるくらいまっとうでちゃんとした作品だった。短期間でよくこんだけ素材を集めたなぁ、すげぇ。

J2時代からフロンターレを見ている身としては、出てくる人はだいたい知ってる人たちだし、びっくりするような未公開エピソードもなく、おおむね記憶の再確認みたいな鑑賞だったけど、それでも怒涛の18年間を2時間あまりで一気に駆け抜けるのは楽しい体験だった。

観ながら思い出していたのは、等々力の試合のチケットのことだ。

前職がフロンターレのスポンサーだったこともあって、職場には毎試合、何枚かのチケットが届けられる。J2時代はほんとうに人気がなかったので、「欲しい」といえばたいていはもらえた。そのチケットもバックスタンドS席で、当時はまだ札幌のサポーターだったかみさんと何度ももぐりこんでいたものだ。

J1に上がると、じわじわ人気が出てきたのか、職場での奪い合いが発生しはじめて抽選になり、そのあとS席がA席にランクダウンした(笑)。Sチケは顧客向けの手土産になったと聞いている。ようはビジネスに活用できるほどの価値が出てきたわけだ。

A席の枚数は増えたので抽選はなくなったけど、それもそのうち抽選制になったり、後援会への入会が必須になったりした。そのころには我が家もシーズンチケットを自分で買うようになっていたから、その後の動きはよく知らないけど、最終的に社員への福利厚生はなくなったとも聞いている。

そんなチケットがプラチナ化する過程には当然ケンゴの大活躍があったし、映画の中で語られていたように、最後の10年をかけてじっくりと引退を考えてきたから、彼が抜けても強いままの川崎でいる。トッププレイヤーのままで辞めて、その穴が弱体化につながらないなんて、なんて理想的な引退だろう。自分自身の引退についてだんだん考え始めている今だからこそ、考えることの多い映画だった。

Tags: frontale

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