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ただのにっき


2017-06-17(土) [長年日記]

川崎 1-0 広島@等々力陸上競技場

夕焼けに染まるスタジアム

主審が発表になると「えっ、西村!?」「マジか……」みたいな絶望的な雰囲気が流れる川崎サイドだったが(笑)、全般的にフェアでまともなジャッジだったよ。人は進歩するものだ(えらそう)。

ようやく週末の試合も19時KOになって涼しいのはいいけど、日が長いから席についてから試合開始までが暑い。夏場には涼しいメインスタンドで観たくなるなぁ。

エウシーニョが復帰してメインの外国人がようやく3人揃ったが、不在のときに入っていた控え選手たちがいい感じにフィットしてきた時期でもあり、起用には悩ましいだろうなぁと思う。とくに今日は(順位的には下から数えた方がはやい)広島が5バック(!)で、突破力が欲しいところだけど、いまの川崎にはそういう強引な感じの選手があんまりいないもんなぁ。

それでも前半はぱっとしなかった阿部が後半にズドンと決めて、そのままなんとか終了。後半は攻められるシーンが多くて、アヴァンテ歌う余裕がないくらいの危うい勝利。とはいえ新潟戦以来、ホームでは勝てるようになってきたかなー。

Tags: frontale

2017-06-14(水) [長年日記]

Windows 10にCreaters Updateがきた

Windows 10 Creaters Updteのお知らせ

今月に入ったあたりから、ぼちぼち降ってきてると聞いていたが、今月のWindows Updateをあてた直後にプライバシー設定の確認をされて*1、すぐにCreaters Updateも降ってきた。例によって安定志向なので、こうやって強制的にさせられない限りはあまりアップデートしたくない派である。

更新そのものは昼休み程度の時間があれば自動で終わるので楽ちんだ。ざっとみた感じ、普通に使っている分にはほとんど変化がないかぁ。ごていねいに[A]の隣のキーをCaps Lockに戻してくれたほかは。前回のアップデートではGoogle IMGを再インストールしないと使えなくしてくれたのを思えばずいぶん進歩したものだ(←イヤミ)。

あとロックスクリーンでCortanaが自己主張するようになったけど「冗談を言って」と要請されてもなぁ(笑)。ま、それくらい安定してるということで、とくに不満はないよ。暇なときに3DになったPaintで遊んでみよう。

Tags: windows10

*1 Windowsの更新後にプライバシー設定がリセットされてしまう問題に対処したのだろう。


2017-06-11(日) [長年日記]

映画化された「あなたの人生の物語」を観てきた

(例によって「メッセージ」という邦題がアレなのでこんなタイトルだが、邦題の話は本文のあとに書く)

最初に盛大なネタバレを書いてしまうが、ばかうけに似ているとして急遽プロモーションに使われた宇宙船だが、実際はぜんぜん似てなかった。むしろ巨大な甘食にそっくりなので甘食業界にはがんばっていただきたい。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
テッド・チャン
早川書房
¥1,056

さて、テッド・チャンの傑作「あなたの人生の物語」が映画化されると聞いたときは(SFファンのごたぶんに漏れず)ばっかじゃねーの!?と思ったわけだよ。だってさ、「あなたの人生の物語」といえば、異星人との地味~なファーストコンタクト物で、宇宙船もなければドンパチもない。だいたい〈ヘプタポッドA〉で光明のみえてきた交流が〈ヘプタポッドB〉の登場でひっくり返り、フェルマーの原理をきっかけにヘプタポッドたちの特異性が明らかになるあたりが醍醐味だけど、そんなの映像化したって面白いわけないじゃん?

ご安心ください。そんなもの、いっさい出てきません! それどころか、ルッキンググラスも出てこないし、コンタクト地点も12個に減ってるし、ヘプタポッドたちの固有名も変わってる上に指の本数も違う、それどころかゲーリーの名前までイアンに変わってる!!

代わりに加わっているのが、(真っ黒い甘食そっくりな)巨大宇宙船、多少のドンパチと国際紛争。あとルイーズの娘の名前。つまり、原作からは大規模な改変がされている。

ああ、ダメなハリウッド映画になっちまったかと落胆めされるな。これらのどれもが「正解」なのだ。驚いたことに、原作のエッセンスをまったく損なうことなく、すばらしくまっとうなSF映画に仕上がっている。とにかく脚本が上手い。そして(SFマニアにだけわかれば良かった)原作の不明瞭な点が、みごとな演出できれいに整理されていて、映像化に細心の注意が払われているのがわかる。

以後、多少のネタバレは気にせずに書く:

なんといっても〈ヘプタポッドB〉の表現がすばらしい。小説を読んでいてもせいぜい複雑な漢字ライクな記号しか想像できなかったんだけど、映画ではたくさんのヒゲがついたサークルで、それが(タコ型宇宙人である)ヘプタポッドの足先から噴出されるイカスミで描かれる*1。描き始めと描き終わりがなく順序性もないという〈ヘプタポッドB〉の条件を満たしているばかりか、カオティックになるはずの「スミ」の広がりを事前に予測して噴出させるというスタイルによって、過去と未来のすべてを内包する〈ヘプタポッドB〉の特異性までをも表現している。これはもう、ものすごい発明だし、これをみられただけでも満足だ。

ヘプタポッドたちの居住環境を白いモヤで満たされた空間にしたのも「なるほどそうきたか」と感心した。〈ヘプタポッドB〉という空中に投影する言語が生まれた環境として合理的で、彼らがちゃんと徐々に進化してきた生物だと納得できる。原作だとあの言語の原始的な状態が想定できなかったから、ヘプタポッドたちが実在の生物だという実感がわかなかったし、これは映画化で大きく補完された表現だ。

叙述トリックを成立させつつ、観客に適度な追加情報を与える映像演出も上手い。冒頭で赤ん坊を抱っこするルイーズの薬指に光る指輪をアップにしたり、決して父親の姿を映さなかったり。さらにはオチで未来の出来事をきっかけに「事件」が解決に向かって走り始めるあたりの改変はドラマチックで実に映画的。「中国」の使い方*2も含めてここはお見事としか言いようがない。

というわけで、満足。原作も映画も、ぜんぜん違うけど、どっちも同じくらい傑作だ。

ところで宇宙船は北海道にも降りたということになっているんだけど、帰りながらかみさんと話した「彼らの行く末」が「食卓にあがって美味しくいただかれた」で一致した。たぶん日本人なら食べてみたくなるはず(笑)。


さて、映画に関する最近のニュースといえばマーキュリー計画を描いた「Hidden Figures」の邦題「ドリーム 私たちのアポロ計画」が批判を受けて「ドリーム」に変更されたというアレだ。あからさまに誤ったタイトルをつけたとはいえ、文句を言えば変更できるという前例を作ったことは大きい。これからもふざけた邦題にはガンガン文句言っていこうぜぇ。

で、今回の「メッセージ」も、含意もへったくれもないクソみたいな邦題でがっかりなんだけど、映画の原題からして「ARRIVAL」なのでどっちもどっちである。小説の原題は「Story of Your Life」で邦題も直訳だけど、読み終えてから意味が明確になるというあたりに知性を感じるし、映画としても充分通用するいいタイトルだと思うんだけどなぁ。

ようするに、一見して映画の内容がわかるストレートなタイトルを付けてもいいけど、見終わると別の意味が浮かび上がるような、知性あふれるタイトルにして欲しいのよ。「Gravity」や「Inside Out」みたいにさ*3

Tags: movie

*1 タコ型なのにイカスミとはこれいかに(イカのスミは海中で形を保つので〈ヘプタポッドB〉はイカスミ製だと思う)。

*2 中国市場を無視できなくなったハリウッド映画に、不自然な形で中国ないし中国人が登場するようになってしまったという嘆きは多く聞かれるが、この作品では(無視できないなりに)かなり自然な形で扱っていて「上手いことやりやがったなぁ」という感想。

*3 最近観た中から、原題はすばらしいが邦題が台なしの代表的なものとしてあげた。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

kitaj [オレも見た! 原作とかなり違うけど本当にいい改変だと思った。 こういう映画ばかりなら大歓迎なんだが。]

yomoyomo [> で、今回の「メッセージ」も、含意もへったくれもないクソみたいな邦題でがっかりなんだけど、映画の原題からして「AR..]

ただただし [> yomoyomo なるほど、そういう解釈ができるという点は同意します。 ただ、〈ヘプタポッドB〉を会得し..]

ただただし [↑と書いたものの、一本の映画にここまでの理解を可能にする表現を求めるのは無茶かも知れません。こういうのは読み返しも前..]


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