2014-09-18(木) [長年日記]
■ 「RubyKaigi 2014」に参加してきた(1日目)
RubyKaigi 2014に参加してきた。"The Final"が2011年、翌年はなくて、復活した2013年は仕事の都合で行けなかったから、個人的にはなんと3年ぶりのThe RubyKaigiだ。9:30開場だからのんびりできると思っていたら、いつもの出勤時間と変わらないじゃねーの、船堀遠すぎる……。どうもRubyKaigiは東京の東側しか見えてないっぽいよな。
オープニングは@kakutaniで、2011までの1st seasonから彼が目指していたゆるい感じがしょっぱなから発揮されていた。とはいえ、1st seasonでは仕事でRuby使ってない参加者に最大限に配慮して(まつもとさんが出られなくてもいいから)日曜までしっかり日程に入れていたし、個人の財布にも優しい参加費だったものが、今回は木曜開始で、earlyでも2万円近い参加費と、きっちりビジネスパーソン向けに舵を切っている。それでも数百人の参加者が集まっているのだから、この数年でRubyを仕事にしている人が一気に増えたということなのだ。そういうおれも「仕事でRuby使ってます」と言い切っての出張扱いだしな。時代は変わったねぇ。
以下、記憶に残ってる出来事をいくつかつまんで(これを書いているのは終了2日後……日記はすぐに書こうな)。
- @nagachikaによる「今回発表するコミッター紹介」というつかみはとても良かった。2トラックでどっちを聴くべきかのいい判断材料に
- @ko1のキーノート。相変わらずノロケが多くてたいへん幸せそうでよろしい
- 弁当がふるまわれて、どこで食べるんだと思ったら、施設の宴会場ぜんぶ使ってて仰天した↓
- Symbol GC。@nari3のプレゼンは訥々としているのにほんと面白い。SymbolがGC対象になると聞いて簡単なことだと思っていたけど、けっこう罠があるのがわかってよかった。動的にクラスやメソッド作る時は注意しよう
- この他にも午後のセッションはほんとすごくて、GVLを回避するのにHTMやSTMを使うというなんだか学術会議っぽい流れが。STMってClojure勉強したときに出てきたヤツだ!
- あとパターンマッチングの話もすごかった。なにがすごいって「自分で言語の新しいパラダイムシフトを起こす」って宣言してるところがすごい。Rubyなんて踏み台ですよ、踏み台
- RubyMotion for Android、Macに接続した実機のAndroid端末をREPLで操作してプログラムを動的に変えるの、めっちゃ興奮した(けど開発環境は当面Macのみだってさ、ちぇっ)
- パーティは、しばらく会ってない人を探しておしゃべりしたりという感じだった。誰かと話した「同窓会みたい」というのが言い得て妙
2014-09-16(火) [長年日記]
■ 「ログ・ホライズン」を読んだ
アニメの二期も始まるそうでタイトルだけは聞いたことがあった「ログ・ホライズン」、作者が「まおゆう」と同じ橙乃ままれというのもつい最近知ったばかりなのだけど、こっちもWebサイト(小説家になろう!)上で連載していると聞いて、じゃあ読んでみようかと。
例によってサクっとスクレイピングしてKindle向けPDFにしたら、なんか「まおゆう」をはるかに越えて3000ページオーバーしてるんですけど……*1。おまけに読み終えてから気づいたんだけど、まだ連載中だし。もう終わってるんだと思ってた(笑)。
とはいえたいへん面白かったので、分量が気にならないくらいにハイペースで読み終えたのだけど。はやく続きが読みたい。
基本的に「剣と魔法の中世世界に現代の文化や技術を持ち込んだらどうなるか」という「まおゆう」と同じアイデアの小説で、一種のタイムスリップもののSFだととらえられるから、たとえば「戦国自衛隊」のバリエーションであるし、〈大地人〉vs〈冒険者〉という構図は一種のミュータントものとも読める。そういう意味では決して目新しいスタイルの作品ではないから「安心してお読みいただけるラノベ」のフォーマットだ。
ストーリーも突飛ではないし(親切な伏線が張り巡らされているのでちゃんと読めば展開はわかる)、登場人物たちもおおむねステレオタイプだ。って、さっきからあんまり褒めてる感じがしないな(笑)。気に入ってるのはディテールなんだよね。ちょっとした小道具とか。たとえば舞踏会で最初に流れる音楽とかさ(これが最新章につながる伏線でもある)。そういう世界の描写や人物の心情をこのボリュームで丹念に描いているから、ゲーム内世界なのにすごくリアリティがあるし、オンラインゲームを遊んで遊んで遊び倒した経験のあるような読者にはこの設定がすごく胸に迫る(←おまえがやってたのはFPSだろうが)。
ただ「まおゆう」と同じで、スピード感のあるパートにくると書き飛ばしがひどくてやたら誤字が増えるし、そもそもあまり推敲をしない人みたいで文章が雑なのがつらいのよなぁ。漢字が多すぎて素人くさいし。文章を吟味しながら読むのは疲れるので、結果的にストーリーを追うだけの読み飛ばしモードになってしまい、なんだかちょっともったいない。ちゃんとした編集者がつけばこういうところは直されると思うのだけど、単行本はどんな感じなのかしらね。
ログ・ホライズン (1) 異世界のはじまり
KADOKAWA/エンターブレイン
¥1,100
*1 単行本で8分冊っぽい。
◆ shyouhei [東京の西側で同じ規模の施設があればぜひ紹介して下さい。切実なお願いです。よろしくお願いします。]
◆ ただただし [アンテナ張っておきます!]
◆ かくたに [2013(お台場)と2014(船堀)の会場は、東京観光財団にRubyKaigiでやりたいことを相談しにいった結果、お..]