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ただのにっき


2013-06-26(水) [長年日記]

「深海5,000メートルへの有人科学探査を生中継」を見返している

先の土日、深夜にニコ生で行われていた【世界初へ挑戦】深海5,000メートルへの有人科学探査を生中継~JAMSTEC×ニコ生、冒頭の2、3時間くらいは見ていたんだけどさすがにこの歳で徹夜はきついのでいったん寝て、翌朝起きたら途中で光ケーブルが切れてしまって後半はまったりタイムだったとのこと。それでも着底後しばらくは中継できていたそうなので、見逃した部分だけタイムシフトで見返したり。

地球の裏側からというだけでも大変なのに、そのうえさらに深海5,000メートル、ぶっ通しで12時間近い生放送なんて、ニコ生公式はちょっと頭おかしい(もちろん良い意味で)。ダレなかったと言えば嘘になるけど、それでも中継がつながっている間は「本物の持つ迫力」のおかげかほとんど飽きることなく楽しめたというのはすごいことだと思う。チムニーに群がるエビの大群、すごかった!

この題材を従来のTV(それも民放)がやろうとしたらどうなるか。まず12時間番組というのはありえないので、録画編集かクライマックスだけ生のせいぜい90分枠になるだろう。もしくは24時間テレビみたいな長尺の番組の中でコーナーとして呼び出すとか。でもニコ生見ていて感じたのは、研究者がしんかい6500の中で寝転がったり弁当食ったりしてるだけでも面白いのである。そういうところをスキップしては魅力半減だ。

あとTVだったら「視聴者代表」のつもりで知識も興味もなさそうなタレントをゲストに呼んで、トンチンカンな質問をさせるよね、ぜったい。ニコ生にも(はやぶさの)川口さんがゲストに呼ばれていて、当初は「専門外なのになー」と不安視していたが、時間差のある相手との通信について的確なコメントをするなど深宇宙探査と深海探査の共通点を浮き彫りにしていたりして、結果的にこれは実にいい人選だった。実は「視聴者代表のトンチンカンな質問」はニコ生の場合コメントで流れるんだけど、一緒に見ている詳しい人が勝手に解説をするので視聴者サイドで解決してしまうというのは従来通りニコニコ動画の大きなメリットだ。

別にTVを腐したいわけじゃなくて、TVに擦り寄りつつあるように見えるニコニコが、実はけっしてTVにはできないスタイルの番組を作りうるということを再確認できたのが嬉しかった。ロケット打ち上げ中継もそうだけど、これからもこういう科学・技術の「本物」を無編集で垂れ流す、最高に面白い番組を作り続けて欲しいなぁ。

Tags: nicovideo

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