2012-01-24(火) [長年日記]
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クロノリス-時の碑- (創元SF文庫)(ロバート・チャールズ・ウィルスン)
「時間封鎖」「無限記憶」のウィルスンということでそこそこの期待をこめて読んでみたが、もう一声という感じかなー。いや、面白かったけど。解説によれば「時間封鎖」よりも前の作品ということで、なるほどここからメキメキ腕をあげていったというわけか。
20年未来から打ち込まれた巨大な石碑というアイデアはじつにいいんだけど、その背景にある(SF的な)仕掛けの説明はたんに学術用語っぽいものを並べただけであんまり説得力は感じない。いまどき多世界解釈を採用しないという勇気は認めるが、かといってタイムパラドックスに正面から挑むというわけでもない。つまり時間SFとしては中途半端なんだよな。
一方、ウィルスンらしい人間ドラマはかなりリアルで、アメリカの中流がこういう事件に巻き込まれるとどんな感じになるのかという雰囲気はすごく出ている(たぶん。アメリカ人じゃないので自信はない)。だから、小説としてはけっこう楽しめたので、まぁ当たりといえなくもない。
それはそれとして、「時間封鎖」シリーズの最新刊はまだかなー。
2012-01-20(金) [長年日記]
■ 「アクセシビリティキャンプ東京 キックオフ」に行ってきた
アクセシビリティキャンプ東京 キックオフというイベントがあったので行ってきたのだった。会場写真を取り忘れたので夜の西新宿を。今日は朝から雪で、夜にはやんだけどすっごく寒くて、駅から会場のミツエーリンクスまでの道(ちょっと歩く)がつらいという。それでも30人くらい集まったので、日本のWebアクセシビリティはようやく黎明期を脱しつつある感じでしょうか(人口的な意味で)。
Webアクセシビリティへの関わりは珍しく完全に「お仕事」から始まったのだけど、Webの世界でこういうものをちゃんと理解するためにはコミュニティ活動に関わらないとダメなので、業務外だろうと参加するのです。今日の会場でも「今日はプライベートで来ました」という人が多数を占めていて、アクセシビリティに関してはコミュニティ活動を仕事の一環としてできるような未来はもうちょっと先みたい*1。
前半は(今回の音頭とりである)ミツエーリンクスから3人がLT。その辺の流れはTogetterのまとめにて。今日は有名な辻さんのおもしろプレゼンも聞けたし、今後、昨今のプログラマコミュニティ界隈のように芸達者な人が発掘できるといいですな。
で、後半は今後の話。今日はキックオフということで、世界(?)各地で行われているアクセシビリティ・キャンプ(またはアクセシビリティ・アンカンファレンス)を東京で継続的に開催するための準備会のようなものだと理解して参加したんだけど、実行委員会への立候補で手を上げたのがおれを含めて2人しかいなかったのは驚きだったな。みんな運営に参加するつもりでここに来てるんだと思ってたよ。まぁ、運営に30人もいたらかえって困るのでそれはそれでいいけど、こういうものは運営サイドに回ったほうが何倍も面白いので*2、お客さんでいるのはもったいないですよ。