2011-10-24(月) [長年日記]
■ 『スティーブ・ジョブズ』を買っていい電子書店はどこか
2011-10-25追記: 講談社の一覧にないビットウェイブックスを追加。DRMフリーと思われます。
2011-10-25追記: 販売を開始したBooksVを追加。残念ながらAndroid専用。
2011-10-25さらに追記: ビットウェイブックスから商品が消滅。
Jobsの伝記が発売だそうで、まぁ(みなさんの予想通り)おれは読む気はないんだけど、講談社という大手出版社が紙と同時に電子書籍も販売開始、それも複数の電子書店から……ということで、日本の電子書籍事情がどうなっているのか俯瞰するにはいいチャンスかも知れない。
以前から書いているように、電子書籍といえども紙と同程度のポータビリティを持つべきだ。たとえ出版社が電子書籍から撤退しようが、著者が販売を差し止めようが、いちど買って読者の手元に届いた本は、そのまま読み続けることができなくてはいけない。という観点でみると、端末に依存しないこと、書店が潰れても影響を受けないことが重要だ。もちろんDRMがかかっていないこと、仮にかかっていても最悪スクリーンキャプチャができれば手元でバックアップできる。
ということで、日本版公式サイトにある電子書店の一覧で比較。形式は.book(ドットブック)で固定のようなので、そもそも.bookが読めない環境は除外する:
書店名 | 端末非依存 | DRMなし | キャプチャ可 | |
---|---|---|---|---|
eBookJapan | (11/04から販売) | |||
紀伊國屋BookWeb | ◯ | × | ◯ | |
ソフトバンクブックストア | × | ? | × | |
GALAPAGOS STORE | × | ? | × | |
TSUTAYA.com eBooks | × | ? | × | |
honto | ◯ | × | × | |
パブリ | ◯ | × | × | |
BooksV | × | × | × | |
Book Place | ◯ | × | × | |
Book Live | ◯ | × | × | |
VOYAGER Store | × | × | ◯ | |
LISMO Book Store | × | × | × | |
Reader Store | × | × | × | |
(半日で取り扱い停止) |
途中で暗澹たる気分になってきたので後半はいい加減かも……。.book本家であるVOYAGERには期待したのだけれど、ブラウザ上でしか閲覧できないタイプのビューアだった。まぁ、講談社がこういう条件で販売先を選択したというだけの話だけれど、少なくとも読者の手元に可搬性のあるファイルが残るタイプの書店は皆無だった。これが日本の電子書籍をとりまく実情。だいたいこの中にiBooksが入ってないという時点で、Jobsの本を出す意義が失われてるように思えるのだが。
ついこの間まで直接XMDFや.bookのダウンロードが可能だった紀伊國屋BookWebが入っているのを見たときには期待したのだが、つい最近になって専用の書棚アプリ「Kinoppy for PC」が用意され、過去に買った本すら単体でダウンロードできなくなるというひどい改悪をしてくれて、呆れるばかりだ。セキュリティも甘いし、こんな本屋、二度と使うもんか。
というわけで結論: 「スティーブ・ジョブズ」は電子版を買ってはいけない、紙で買って自炊せよ。
2011-10-25追記: 上記訂正。ビットウェイブックスからなら買っていいかも(内容未確認につき自己責任で)。/さらに訂正。10月25日の朝にはありましたが、同日午後にはサイト上から消滅しました。残念です。
2011-10-23(日) [長年日記]
■ Sinatra版Amazon-Auth-Proxyの運用を始めた
試験的に作ってみたSinatra版Amazon-Auth-Proxyだが、忙しさにかまけて放置していたら、当初のGAE値上げに続いて今度はAmazonのAPIが11月から変更になるということで、まじめに運用しないといけない感じになってきたのでなんとか実装したのだった。ソースはいつものようにGitHubで:
ちなみに今回のAmazonのAPI変更は、正式なAssociateTagが含まれていないクエリは受け付けなくなるというものなので、今まで日本のAmazon用AssociateTagを使い回して各国向けのクエリを処理していたプロキシは、軒並みダメになる。ちゃんとそれぞれの国向けのAmazonで専用のAssociateTagを発行してもらわなくてはいけないのだ。現在プロキシを運用している人は、今月末までに自分の環境を見なおしましょう。
で、今までCGI版を動かしていた人も今後はSinatra版をHerokuで動かすのがオススメ。Herokuのアカウントはもう持っているとして、改めて手順をここに書いておく:
# コードを取得 % git clone git://github.com/tdtds/amazon-auth-proxy.git % cd amazon-auth-proxy # 必要なGemを取得 % gem install heroku bundler % bundle install # Heroku上にアプリを作成、Amazonのキーを設定 % heroku apps:create 【ここにアプリの名前(URLの一部になる)】 --stack cedar % heroku config:add AMAZON_ACCESS_KEY=【ここに自分のアクセスキー】 % heroku config:add AMAZON_SECRET_KEY=【ここに自分のシークレットキー】 # 設定ファイルをいじる # name: 自分のプロキシの名前をつける # aid: 自分が保有しているAssociateTagを各国分 % vi amazon-auth-proxy.yaml # アプリをリリース % git commit -a -m 'update settings.' % git push heroku
あとは、「http://指定したアプリ名.heroku.com」でアクセスできるようになる(トップページにアクセスすると指定した国のディレクトリ配下にアクセスするようにというメッセージが出る)。
これだけでは意味がないので、ちゃんとProduct Advertising API用リバースプロキシに登録して、みんなで共同利用できるようにしておこう。「エンドポイント」にアプリのトップページのURLを入力すれば良い*1。ついでに風柳版に登録している人はそっちも変えておきましょう。
追記 - 参考リンク
- dotcloudで動かす方法 by @hsbt
*1 Sinatra版は指定されたAssociateTagを見て動的にrpaproxy.yamlを生成することにしたので、特に設定は不要。
2011-10-22(土) [長年日記]
■ 町田駅の天井にサーフボードがめり込んでいた
松本一泊出張から帰ってきたら、小田急町田駅の上りエスカレータが止まっていた。「疲れてんのになー」とぶつくさいいながら歩いて上っていくと、突然目の前にそそり立つサーフボードが。
視線を上にあげると、先端が天井の石膏ボードにのめり込んでいる。なるほど、これがエスカレータを止めたのか。壊れた石膏ボードの破片が周囲に散らばるなか、こわごわと天井を見上げてサーフボードをよけて上る乗客たち……という異様な風景。もちろんすぐに通行禁止になったけど。
高さ制限にひっかかるようなロングボードが途中の天井につきあたったが、エスカレータはそのまま動き続けてボードを押し上げたため、メリメリと天井に穴を開けてから止まったということか。大きな事故にならなくて良かったなぁ。
しかしこれを防止する良い方法が思いつかん。トンネルや高架下手前にあるような高さ制限案内を出しておいても、車と違って人間は、寝かした状態で乗ってから途中で立てたりするからなぁ。天井を丸めて滑りやすい素材にしておくくらい?
◆ mrkn [原著なら Kindle Store と iBooks で買えます。]
◆ ただただし [そういうツッコミが入ると思ったよ(笑)。 今回の基準を厳密に適用すると、Kindle Storeは◯/×/◯、iBo..]
◆ mayakovskii [ビットウェイではDRMフリーですね。 http://books.bitway.ne.jp/meng/cp.php?r..]
◆ ただただし [おー。情報ありがとうございます。確かに素の.bookっぽいですね。どうやって講談社の目を逃れたんだろう(笑)。本文に..]
◆ sora_h [なんだかんだ原著をKindle Storeを買うのが良い気がしてきたw .bookってKindleで読めたっけ…]
◆ ただただし [bookはKindleでは読めない(今回そういう「もともと読めない端末」は除外)。まぁ、T-Timeで表示させてキャ..]