2010-12-20(月) [長年日記]
■ ホーガンの「巨人三部作」を読み返した
J・P・ホーガンが7月に他界してから、なにか読み返そうと思っていたんだけど、SFからだいぶ離れていたのでなかなか腰があがらず、やっと自炊してKindleに入れることで読む気になった。ターゲットはもちろん、「巨人三部作」*1。
読み始めてしまえばそう簡単には止められないくらい面白いのはわかっているわけで、並行して他の本を読みつつも*2、ついついこっちに手が伸びる。最初の翻訳が出てからほぼ30年がたっているとは思えないくらい古びてない*3。やはり傑作中の傑作だねぇ、この3冊は。
もっとも学生だった当時とは違って、目に付くものもいろいろ違っているわけで、古典を読み返す面白さもまた発見だった。なかでも「巨人たちの星」にはホーガンが後年傾倒する「社会科学SF」の萌芽(というかそのまんま?)があって、ああ、もしかすると最初からこっちがやりたかったのかもねぇ、向いてなかったけど……などと思ったりした。初めて読んだときはそんなこと気にもならなかったのにね。でもまぁ「SFは"人間"は描かないかも知れないが"人類"は描く」の王道を行く、骨太でホンモノのSFであることに変わりはない。
「もう絶版なんだろうなぁ」と思って本屋を覗いたら平積みになっていた。追悼の意味かどうかわからないけど、増刷になっているみたいだ。変な萌え系に走らず当時のままの表紙もいいですな。もちろんAmazonでも新品が買える。
星を継ぐもの (創元SF文庫) (創元推理文庫 663ー1)
東京創元社
¥100
タバコについては「渚にて」を読んだ時に同じような印象を持ちました。