2010-05-05(水) [長年日記]
■ HTC Desireとの音楽/ビデオの同期
音楽ファイル同期にiTunes Agentを使う
音楽ファイルの同期にとりあえず使ってみたdoubleTwistは非常に遅い上に使いにくかったので、iTunesへのアドオンとして動作するiTunes Agentを使ってみることにした。GPLなのでたいへんけっこうですな。iTunesを使い続けるというのが癪に障る部分だが、やはり一日の長があるから音楽ファイルの管理ツールとしては機能的にかなり充実してるんだよね。
参考にしたのはWindowsとAndroidで音楽・動画を同期する方法で、だいたいここに書いてある方法の通り。同期できるプレイリストが1個だけというのが非常に厳しい制約なんだけど、とりあえず今までiPhoneと同期していたプレイリストを全部入れたスマートプレイリストを作ってしのぐことに。まぁ、ほとんどの場合、全曲シャッフルで聴いてるので問題はないんだけど、「最近追加した曲だけ」というプレイリストもけっこう使っていたので、運用上はちょっと困る。
同期処理そのものは素早くてシステムへの負荷も低く、満足のいく性能だった。ひとつだけエラーになって同期できないアルバムがあったんだけど、iTunes上で確認してみたところアルバム名の最後に空白が入っていて、これが悪さをしていたようだ。これなら常用できそう。さらばdoubleTwist。
それにしても、iTunesのプレイリストを読むという動作をする同期ソフトが多いのは、たぶんiTunesがプレイリストを読むAPIを公開してるんだな、COMとして。だったらRubyのWin32OLEでも使って同期スクリプトを自作することもできるわけだ。自分で使うだけならGUIはいらないし、ちょっと作ってみるのもいいかもな。時間ないけど。
なお、現在Desire上での音楽/ビデオ再生にはMeridianを使用。音楽再生は申し分ない。ただ、iTunesでリッピングした.m4aファイルの場合にアートワークが表示されないのは、Androidの制約なのだろうか、他のプレイヤーでも表示されないし。.mp3だと問題ないんだけどなー。
ビデオの同期は手動で
ビデオファイルは同期ツールを使わずに手動でコピーすることにした。iPhoneと違ってどんなファイルも端末上から削除できるので、見たはしから削除してしまうビデオファイルは手動の方が楽だ。
で、試しにニコ動向けにエンコードしたファイルをそのまま読ませてみたら、残念ながら音声だけが再生されたので、これまでどおりCraving Explorerを使って変換することに。ただしiPhone向けのプロファイルだと解像度的に寂しいので、専用のものを作った(といってもiPhone向け設定の解像度部分を変えただけ)。Craving Explorerのインストールフォルダにあるtemplate\convert.xmlというファイルをいじる。<Devive>~</Devive>の間に以下の設定を:
<Item> <DisplayName>HTC Desire</DisplayName> <Accelerator>D</Accelerator> <DeviceName>desire</DeviceName> </Item>
<Movie>~</Movie>の間に以下の設定を追加する:
<!-- HTC Desire --> <Item> <DisplayName>MP4(HTC Desire)</DisplayName> <Accelerator>M</Accelerator> <ActionName>mp4-desire</ActionName> <DeviceName>desire</DeviceName> <CommandLine>-f ipod -vcodec mpeg4 -b 1200k -mbd 2 -flags mv4+aic -trellis 2 -cmp 2 -subcmp 2 -s 640x480 -r 30000/1001 -acodec libfaac -ar 44100 -ab 128k</CommandLine> <FileExtension>mp4</FileExtension> <BeforeAction></BeforeAction> <AfterAction></AfterAction> </Item> <Item> <DisplayName>MP4 ワイド(HTC Desire)</DisplayName> <Accelerator>W</Accelerator> <ActionName>mp4-desire-wide</ActionName> <DeviceName>desire</DeviceName> <CommandLine>-f ipod -vcodec mpeg4 -b 1200k -mbd 2 -flags mv4+aic -trellis 2 -cmp 2 -subcmp 2 -s 800x450 -r 30000/1001 -acodec libfaac -ar 44100 -ab 128k</CommandLine> <FileExtension>mp4</FileExtension> <BeforeAction></BeforeAction> <AfterAction></AfterAction> </Item>
512x384が標準のニコ動向け動画の場合、縮小どころか拡大になっている点は気にしないこと。
2010-05-04(火) [長年日記]
■
キケン(有川 浩)
男ばかりの工学系大学のサークル「機械制御研究部」(略称「キケン」)を舞台に、本気で遊ぶ大学生たちを描いたオムニバス長編。
多くの人にとっては荒唐無稽で面白い話なんだろうなーと思うけど、自分は「あー、あるある」という共感は覚えこそすれ、あんまり盛り上がらなかった。あとがきにも書いてあるけど、男子たるものみな自分の「キケン」を持っているもので、それを外部から女子が観測した結果を小説にしただけだから、シチュエーションがあんまりぶっ飛んでないんだよね。
いや、客観的にはぶっ飛んでいるんだけど、変にリアリティにこだわるせいで「まぁこれくらいはあるよな」という感想になってしまう。そうなるともう、フィクションとしての枠に足りてないわけで、男子としては満足できないわけです。もっとファンタジー成分多めでいいと思う。
ちなみに自分にとっての「キケン」は中学時代で、爆弾こそ作らなかったが、フラスコいっぱいの水素ガスに火をつけてみたり、部室でニトログリセリンを合成したりしていたのだから、危険レベルとしてはこの話の大学生たちとたいして変わらない。あ、おれは横暴な先輩に振り回される下級生の役回りだったので(笑)。
あんな面白い経験ができたのも、何をやっても全部責任かぶってくれた恩師・鎌田先生(女性)のおかげです。ありがたや。良い「キケン」には、良い大人の存在が欠かせない。本書に物足りなさを感じるのはそれもあるかも。
2010-05-03(月) [長年日記]
■ 『Springfields ~東京場所~』へ行ってきた
ほんの数日前、かみさんが「実はチケットがある……」と言い出したので、急遽、日比谷野外音楽堂へ。まぁ、連休中は特に予定もなかったのでGJ。
お目当ては"知世ちゃん"(原田知世)、大貫妙子、細野晴臣(世代的な意味で)。キセルや星野源は初めて聴いたけど、30年前の音楽が一周回って戻ってきた感じだった。「ということは次はフュージョンが戻って来るね」と話していたけど、はたしてそれはどうだか。あと、キセルのバックのキーボード、エマーソン北村がすごすぎて目が離せなかった。
それにしても原田知世はすごい。普通、少女性を残したまま大人になると単なる「痛いオバサン」になってしまうものだが、彼女の中にはちゃんと少女と大人が同居したままなんだよなぁ。魔法使いか*1。おまけに最後にドジっ娘属性まで発揮してくれちゃってもうね。
大貫妙子は圧巻としか。女王様の統率のもと、すばらしいステージ。バンドもハイレベルだったし、「いつも通り」をはじめオーディエンスをくすぐる選曲もGood。原田知世のステージでもやった「ファム・ファタール」を、大貫版でもう一回というのも貴重だった。
トリの細野晴臣は別の意味で圧巻というか、もうフリーダムすぎて何がなんだか(笑)。本人曰く「北米音楽のカバーをやります。オリジナルをやってもカバーに聞こえる」という感じで、古き良きアメリカンサウンドをたっぷり。聴衆置いてきぼりギリギリのラインでやりつつも、ちゃんと楽しませてるのはすごい。鈴木茂がソロパート弾きまくりで、これまた贅沢極まりない。
というわけで、4.5時間があっという間。楽しかった。
あえて苦言を加えるなら、音響のセッティングがひどかった。
原田知世のセッションは(よりによって)ヴォーカルが埋もれて非常に聴き取りづらかったし、大貫妙子のセッションに至っては、最初から最後まで右スピーカーからのハム音がひどく、気になってしょうがなかった。せっかくこれだけベテラン・大御所揃えたのに、スタッフが素人仕事してちゃダメだろうよ。
*1 本当は「魔法少女」と呼びたいところだがこの国では別の意味になってしまうので。「魔女」だと失礼な感じだし。
◆ Nock Forager [うちのNexus OneではiTunesでCDから作成した m4aのアルバムアートがちゃんと表示されます(代わりに?..]
◆ ただただし [がーん、そうなのか。 そういうのって、どこで確認できるのかなぁ。]