2009-08-05(水) [長年日記]
■ 今ごろ日蝕の話
先日の皆既日蝕は、どうせ雨だとわかっていたのでたいした準備もせず、帰宅してからYouTubeでNHKが流した映像を見た程度だったんだけど、夕べ配信された惑星協会のメルマガの方でうっかり(?)感動してしまったよ。ちょっと引用:
そのうち、その見えない月は38万kmの彼方にあるのだという気持ちがムクムクと頭を擡げてきて、じっとそれが存在しているはずの位置に目を凝らしているのでした。私の両眼と月との間にある距離に比べて、あの太陽を「食べている」月は何と小さいのだろう。直径わずか3500 km。底面直径の100倍以上の高さを持つ、実に細長い円錐の影が、あの位置からこちらに向かって、今の瞬間に伸びてきている。しかもその影をつくりだしているもとの光は、1億5000万kmも向こうにある。この円錐現象の巨大なスケールを頭で描きながら、その細く長大な宇宙の円錐の先端に自分がいる――私は茫然とした気分で立ち尽くしていました。
おなじみ的川泰宣さんのエッセイ。無機質な数字を並べ立てた上で、それでもちゃんと感動できる。これが科学的態度ってもんだよなぁぁ。ほんと、的川さんはいいもの書くわ。
ところで、日蝕といえば的川さんと同じく小笠原沖で観測してきた(ふ)さんのレポートが充実していて素晴らしいのだけれども、中でもパラボラマニア的に重要なのが国立天文台VERA小笠原局のくだりである。おいそれと行けない小笠原の、20m電波望遠鏡の貴重な動く映像! しかもけっこう速いんだこれが!
次また行く機会があるかどうか、怪しいです>VERA小笠原局