2009-03-16(月) [長年日記]
■ SEMをエンターテイメント化した「ニコニ広告」
週末はゲームばかりしていたと書いたけど、メンテが明けたニコニ広告でちょっと遊んだりもしたのだった。職業柄こういうものは試しておかないと……とか言い訳しつつ、ふと宣伝したいと思った動画があったからなんだけど。
実際いろいろ試してみると、リスティング広告の手法をなかなか上手にパロディ化している。実際に広告メディアとして評価すると不足している点が少なくないし(そもそも広告主は一銭も儲からない)、作業効率も悪いんだけど、逆にニコ動らしい「楽しさ」「面白さ」はかなり追求されていて好感触だ。SEM(検索エンジンマーケティング)をエンターテイメントにしてしまった、というところか。
SEMなんて実際の業務にしてみたらあんまり面白いものじゃなくてさ、いろいろ工夫した結果、集客が増えれば達成感はあるけど、本格的にやろうとすると入札作業もツール頼みで、なんとなく「作業っぽさ」がぬぐえない。特にリスティング広告はクリエイティブに凝る余地が少ない上に、ユーザにしてみれば邪魔モノ扱いなんだから、広告主のモチベーションは上がりにくい。
エンターテイメント化は入札画面から始まっていて、こんな感じのFlashアプリであらかじめ買っておいたポイントを加算すると「ちゃりんちゃりん」と音がする。ネット上のコンテンツには投げ銭が似合うなんてよく言われていたけど、まさにそんな感じだ。
その出稿額に応じて動画の掲載頻度や枠の色が決まるのは、すでにニコ動ユーザなら目にしているはずなので省略。嫌われもののはずの広告だけど、ここでは目立つほど喜ばしいという雰囲気があるのは、儲かるのがニコ動だけという(ある意味不公平な)状況だからかも知れない。今後利益が作者や権利者に還元されるようになったらまた雰囲気が変わるかも。
(本物の)リスティング広告と決定的に違うのは、広告効果が測定できない点だろう。自分の広告でどれだけの視聴者が誘導されたかわからない。これがわからないと戦略を立てづらいので、ゲーム性はちょっと落ちる。ただ、入札画面でタグごとに検索ボリュームがわかるので、どれくらいの競争率なのかはわかる。ちょっと面白い調査を、おなじみニコ動分析部のmyrmecoleonさんが公開されているので参照のこと。
ちなみに、試しに入札してみたタグは例によって「アイドルマスター」なのだけど、週末の時点での表示確率はたったの「0.2%」だった。「競争率高すぎだろ!」と思っていたのだが、丸2日たって見てみたら35万インプレッションもあった*1。アイマスタグ恐るべし……。
で、名前をいつものようにおおっぴらにしていたら、動画の最後でこんなになってしまったのはなかなか恥ずかしいけど、まぁいいか、面白けりゃ。おかげで(?)宣伝した動画はめでたく1,000再生を超えた。おれのおかげじゃないとは思うけど、35万回も表示されて1人も誘導されてないわきゃないよね。数万再生の動画をさらに宣伝するより、ロングテールにアピールしてこそのネットコンテンツだと思うので、これからも3桁以下再生の動画だけを狙って宣伝していくよ。
なお、今回宣伝したのはClubJamoraさんの新作。彼は語ってよし、作ってよし、まとめてよしのマルチな才能を発揮してくれている、ニコマス界隈の貴重な人材。
2009-03-14 |
アイドルマスター ”とてもすばらしい、美しい響き” 真美やよいお春香 (01:37) 俺もエコールを思い出 GJ エコール思い出した 凄いマイリス率だな GJ!!!!! アイマスは... |
*1 検索ボリュームと比べると、なんとなく数字が合わない気がするけど。
35万インプレッションはおかしいような…ひょっとして一ケタ間違ってません?
いやぁ、そう思って何度も見返したんですけどねぇ。さっき見たら「453,814回」でした。バグかしら?
やっぱりバグだったようです(笑):
http://uad.nicovideo.jp/main/info/?iid=9
さっき見てみたら、表示回数も1,000回程度に落ちてました。これくらいなら納得の数字かな。