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ただのにっき


2012-09-26(水) [長年日記]

楽天Rabooが終了へ。そして電子書店は信頼を失う

楽天がKoboを買収して以来、その行く末が注目されていた同じ楽天の電子書店「Raboo」だが、なんと来年3月でサービス終了ということになった。顧客への救済策はせいぜい購入価格の10~40%程度のポイント還元ということで、これは想定されていた中でもほぼ最悪の対応だ*1。これがどういうことか顧客視点でまとめると、あんたがうちで買った本は全部こっちでブックオフに売っておいたからと言っているのに等しい。まぁ……ありえないわな。

これで将来、Koboストアにも同じことが起きる可能性が否定できなくなったわけで、そんな本屋で本を買うなんてまっぴらごめんである。もちろん来月にもサービスインすると噂されるAmazonをはじめ他の書店でもこれと同じことがおきる可能性は決して低くないわけで、もはや電子書籍は安心して買えるものではなくなったと言っていい。最初から読み捨てにするつもりで、しかもブックオフに転売できないとわかっていて買うなら別だけど、それにしては高いよね。紙のほうがマシ。

以前書いたように、おれはもう、電子書籍はDRMフリーのものしか買わないよ。楽天は電子書籍に期待をしている本好きの人たちをどれだけがっかりさせたか、わかってんのだろうか。

Tags: ebook

*1 最善策はDRMフリーにして再ダウンロード可能に、次善としては同タイトルをKoboで無償提供といったところかな。

本日のツッコミ(全13件) [ツッコミを入れる]
タウンビギナー (2012-09-27(木) 20:21)

※上手く投稿できてないようだったので再投稿します。二重になっていたらすみません。

Rabooプレスリリースを確認した所、「すでにRabooにてご購入いただいたコンテンツに関しましては、サービス終了後も、現在ご利用いただいている端末にてご利用になれます。」とありました。
なのでサービス終了までコンテンツをダウンロードすれば引き続き端末で読めるので、ブックオフの例えは違うと思います。

ただ、電子書籍が安心して買えないというのはわかります。サービス終了したら端末をまた買ったり、その端末用に新しく同じ本を買わないといけなくなる可能性があるのは嫌ですね。

ただただし (2012-09-27(木) 20:51)

「特定の端末でしか本が読めない状況」について、もうちょっと長期的な視点で考えてみたほうがいいと思いますよ。ご存じないかも知れませんが、機械というものはわりとよく壊れます。

タウンビギナー (2012-09-27(木) 22:25)

あー、確かに壊れたらアウトという視点はありませんでした。生産終了してもある程度サポート期間は設けられると思いますが、いずれにしても紙より耐用性は短いですね。
DRMは厄介だというのが腑に落ちました。

tt02 (2012-09-28(金) 03:20)

自分はこれらのサービスは利用していませんので又聞きですが、人によっては、端末容量以上の書籍を購入済みの方もいて、それらはどうやっても読めなくなってしまうようですよ。

ただただし (2012-09-28(金) 06:56)

なるほどそれは良い(悪い?)指摘ですね。Rabooでそんなに本を買ってる人がいるかどうかわからないけど(笑)、日本の場合はコミックの割合が多いから、容量以上に買うことはおおいにありえます。

774 (2012-09-28(金) 09:05)

koboで同タイトルのDL権を配布すればkobo自体の販売促進にもなるのに…
スマートじゃないですなぁ。

T_T (2012-09-28(金) 11:07)

tt02さん
>人によっては、端末容量以上の書籍を購入済みの方もいて
>それらはどうやっても読めなくなってしまうようですよ。

それはPanasonic製の端末を利用している人だけですね。
そしてPanasonic製の端末を使っている人も、乗り換える先をSONYのReaderにすれば、今まで購入し、Panasonic製端末に入りきらない量のデータも端末が壊れるまで読めるはずです。

Readerの場合、端末にダウンロードしたデータは、PCに普通のファイル(.mnhと言う拡張子)で扱えるファイルです。Readerはパソコンを使ってダウンロードするか、端末の無線LAN/3Gを使ってダウンロードするか選べますが、どちらにせよ端末はUSBストレージとして認識されるので普通にデータをパソコンなどにコピーする事ができます。また保存先はSDカードも選べるので、こちら経由でもパソコンなど他の所に保存する事ができます。後は普通のファイルと同じ方法で保存する事ができます。

ここに使われているDRMは、ダウンロードやデータ抽出を抑止するタイプでは無く、再生を抑止するタイプなのでファイルはコピーできるというわけです。
データは暗号化されているので、機器認証といってIDと結びつけられている端末でしか開くことはできません。しかし、機器認証さえされていれば、特別な操作をしなくても普通にコピーしただけで電書端末はデータを認識してくれます。コピーした後追加で認証は必要無いので、楽天が機器認証サーバを投げ出しても読めます。
また、機器認証はIDに結びつけられていて、IDごとに複数台機器認証が可能になっています。同じIDで認証された端末の間では、新規にダウンロードし直さなくても同じデータが読めます。(認証のイメージはPlayStationと同じだと言えば、イメージしやすい方もいるでしょうか)

ですのでRabooで何万も本を買ってしまい、それが読みたいんだという方はReaderを何台か買っておいて、複数台認証しておけば延命できるかも知れません。(ただ楽天側は何台まで機器認証が可能かと言う事を明らかにしていませんので、複数台はできない仕様かもしれませんが…)

クラウド型のDRMを採用している各社は中央のサービスが止まると読めなくなってしまいますが、RabooというかBooklista系の電子書籍サービスはこの点まだ救いがあります。

この点で、楽天は全く互換性も無く、Rabooよりもラインナップが大幅に劣るため等価交換もできないKoboではなく、Panasonic製の端末も、Readerも使える紀伊國屋BookWeb、あるいは既存のデータを保存性よく読むことができるSONY ReaderStore、Panasonic製の端末が対応しているBooklive等を移転先に推薦するべきだと思うのですが、ここら辺でもユーザ嘗めてんのかと言う対応をしていますね。

もちろん、こんなクソ面倒くさく、本来はしなくてもいい苦労を強いるDRMはクソであると言う事実に代わりはありませんが、すでに購入してしまった方への救済策の手がかりとして…。

ただただし (2012-09-28(金) 14:03)

T_Tさん、追加情報ありがとうございます。参考になります。
ただまぁ、そのReaderを擁するSONYも、時を同じくしてPSP向け電子書籍サービスをRaboo同様の対応で閉鎖することは、書き添えておきたいところですね(つまりReaderユーザもいずれ同じ目に遭います)。

T_T (2012-09-28(金) 15:18)

SONYが電子書籍サービスを閉鎖するのはPSPが最初じゃありません。昔、リブリエというReaderのご先祖のようなものがあって、Timebook Townという電書屋を経営してましたがこれ2009年に閉鎖してます。
Panasonicもシグマブックでやらかしています。さらに今何食わぬ顔で営業を続けているやってるeBookJpanも.ebjというDRMがあるフォーマットを捨ててます。
楽天のように恥も外聞も無くぶっつりとやめたりはしていませんが、結果は同じ。閉鎖され、古いコンテンツは読めなくなっています。


一方電子書店パピレス、ビットウェイブックス、インターネットの本屋さん(あと仏書院等も)など、DRMを使わずに環境を縛らずにやっている所は、今でも継続して営業を続けているんですよね。パピレスなどは10年近く前に購入したコンテンツが未だに再ダウンロードできます。もちろんDRMが無いから、自分で保存しておくことも普通にできます。(今ではDRM有りも扱うようになってしまいましたが…。)
近頃は出版社の無意味なDRM指向におされて、DRMがない電書屋は新刊の入荷がDRMがある電書屋に比べ少なくなってしまっていますが、朝日新聞出版のソノラマ系、東京創元社などは新しい電子書籍をDRM無しで卸していますし地味に新刊も増えています。

電書屋も、端末屋も、DRMがない方が事業継続性がよいと言う歴史を学んで、さらに結局DRMを捨てる選択をしつつある音楽業界を横目に見て、もう一度考え直して欲しいと思いますね。

長文失礼しました。

ただただし (2012-09-28(金) 22:26)

個人的には、いわゆる(いちばん最近の)「電子書籍元年」より前に試行錯誤していた人たちのことは非難の対象にしないでおきたいと考えています。どんなビジネスモデルが良いのか、暗中模索だったと思いますし。SpaceTownの閉鎖あたりからですかね、雲行きが怪しくなってきたのは。紀伊国屋が何の断りもなくダウンロード不可にしてからは個人的には絶望してますが。

先行する音楽がDMRフリーの買い切りモデルと定額聴き放題のサブスクリプションモデルに二極化していることから学べばいいのに、今あるのは買い切りのふりをした貸本業ですからねぇ。

nobu (2014-02-07(金) 18:19)

いやはや。。。
SONYも撤退(北米)ですか。日本では継続と言ってますが、全然信用できないですね。

DRMもそうですけど、日本の電子書籍サイトは海外からの利用を想定してないケースが多いです。
海外発行のクレカが使えないのが普通で(尤もこれは電子書籍サイトだけじゃないですが)、海外IPだとサイトにすらつながらないことも。
日本語書籍が手頃な価格で入手しにくい地域で、しかも長期滞在(=日本の銀行口座、クレカを持ってない)層にこそ、電子書籍は必要だと思うんですけどね。
amazonは海外から購入可能ですが、登録してある住所以外の国から5冊以上購入するとロックがかかります。
VPN使って日本IPから1冊でも購入すると解除されますので、結局は短期の出張者向けのサービス、という位置づけなのでしょうね。

大ちゃん (2014-02-07(金) 21:05)

nobu>amazonは海外から購入可能ですが、登録してある住所以外の国から5冊以上購入するとロックがかかります。
えっ、そうなんですか!? 当方中国大陸在住ですが、今までロック掛かったことありません。プロキシ経由接続の時もあったからかもしれないので、今後気をつけます。

nobu (2014-02-07(金) 22:15)

>大ちゃん
こちら香港ですが、ロックかかりました。TLで聞いたところ、よくある事らしくすぐに回答もらえました。大陸にもちょこちょこ行くので壁越え用に契約してた12VPNが役に立ちましたw


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