2007-03-16(金) [長年日記]
■ 街角花だより (アクションコミックス)(こうの 史代)
「えっ、こんなのいつ連載してたの!?」と思ったら、デビュー当時の作品集だそうだ。そう言えば見覚えのあるタイトル。読み進むに従って作品の完成度が落ちていくように感じたのだが、さもあらん、新しい順に並べてある(冒頭の一編のみ今年の作品)。最後のデビュー連載はたしかに、近年のこうの作品に見られるような緻密な作りこみがまったく見られない。
とはいえ、こういう肩のこらない軽い話もいいと思った。というか、そもそもおれがこうの史代に求めていたのはそういう話だったんだが。でもこういうのが出るようになったのも『夕凪〜』のおかげなんだよなぁ。フクザツだ。
キャラの表情や動作に見られるデフォルメなんて、いい意味で実にマンガっぽくて、この頃の絵柄の方が好きと言ってもいいくらい。もちろん表情の持つ情報量は現在の方がはるかに多いわけで、読む楽しみは近作に軍配が上がるわけだけど。
あと、装丁がすごく凝ってていい。それから作品の合間に挟まっている挿絵(これも雑誌掲載されたもの)もいいんだけど、もちっと大きく載せて欲しかったなぁ。