2003-08-18(月) [長年日記]
■ Blaster対策
5:30に起き……るつもりが6:00になってしまったので、朝食抜きで出社。7:30。
メールをチェックすると(その前に自分のPCにちゃんとHotfixがあたっていることを確認して!)、12日夜の時点ですでに社内ネットワークに侵入されていたことが判明。バカめ。しかしうちのオフィスはお盆休み中、フロア間の引っ越しをしていたので、被害はないはずだ。
そこで「出社したらLANケーブルを抜いてHotfixを確認せよ」という張り紙を急いで作成し、houkouと各扉にベタベタ貼ってまわる。8:00。この時間までに手を打っておかないと、出社してくる社員が多くなるので手が足らない。
……が、あんなに目立つ張り紙なのに、読まずに入ってくるヤツの多いこと多いこと。おまえら全員、感染しちまえっ(泣)。
■ Debian: サービスの起動設定
探し回ってしまったのでメモ。
Redhat系のchkconfigに相当するのは、update-rc.d。だそうです。他にもupdate-*なコマンドがいくつかあるので、いつか探検してみよう。
■ 固有IDのシンプル・シナリオ(3)
反応リンク集ができているもよう。
で、森山さんの新しいコメント。森山さんはこのシンプル・シナリオを「仮想敵」と見なして身構えているから、結城さんの言いたいことが読み取れないんじゃないかしらん。理解しないまま無理して書いているようで、どうも反論に整合性がない。
森山さんが主張する「そのようなID読み取り機はできない」という点に対する、簡単な思考実験による反論。
その(1)。Suicaは読み取り機から約10cm以内に近づけることで反応する。Suicaは内蔵電源を持たないから、読み取り機から電波を送って発電させ、それによって発生した電波をまた読み取り機で拾わなければならない。だとすると、現行の読み取り機よりも100倍出力が大きくて、100倍感度が高いものを作れば、(逆二乗の法則により)1mの距離からSuicaの内容を読み取れるようになる。満員電車に乗れば、周囲の5、6人分のSuicaを読み取れるほどの距離である。さてこの「100倍」という数字、オーダー計算による近似とは言え「不可能」というにはあまりに小さいと思うのだが。
その(2)。RFIDの利用例としてよく出てくる「万引き防止」と「商品管理」。小売店が導入するなら、コストの面から1つのチップに両方の役目を持たせるのがスジだろう。万引き防止であれば店舗の入り口で捕まえられないといけないので、応答距離は1〜2mはないと役に立たない。さらに、商品管理のためには商品種別ごとのIDでは役に立たないので、個々の商品に固有のIDが必要。しかも低コストで……となると、パッシブなチップにならざるを得ない。ということは、RFID推進派は想定している利用場面で「固有IDを持った低コストなチップが数mの応答距離を持つ」という技術を仮定していることになる。とうぜん、それを可能にする読み取り機が開発可能というのが大前提になる。
森山さんのコメントによって、いくつかのシナリオには実現困難かもしれないという記述が付け加えられたが、上記のようにそうは思えない理由がある。特にRFIDの種別を問わない適用例4は、現時点でも楽勝で実現できるだろう。やはり昨日書いたように、「問題の矮小化」を狙っているのではないか。
多くの人が不安に思っている新しい技術に対して、共感を持てないばかりか「僕にすればどうでもいい話題だし」とか言っちゃう科学ライターって、どうだろうか。科学ライターという職業には、科学者・技術者の代弁をするばかりでなく、一般人の声を彼らに伝える役割もあると思うんだけどなぁ。
■ 固有IDのシンプル・シナリオ(4)
すまそ。せっかくだから(4)を書いておこう(笑)。
つーかね、村井・坂村という日本のRFIDの二大陣営(?)の親分が、高木さんの尽力もあって(かどうかはわからないけど)セキュリティ重視の発言を増やしているこのご時世に、いまだに夢ばっかり語ってる人がいるってことがまず問題。原子力発電がすべてのエネルギー事情を解決してくれると言われていた時代を思い出してしまう。もっとバランス感覚を持ってもらいたいし、結城さんのシナリオはその手助けをしてくれるはずだ。
正直言って、おれだってRFIDで蔵書管理したいよ。読み返したい本を探すのに、本棚ひっくり返して探さなくてよくなるならどんなに嬉しいか。でもそれは、おれがどんな本を持っているかを、本屋だけでなく無関係な第三者に知られることがないという絶対条件の元でだ。別にRFIDならすべからく反対つってるわけじゃない。この感覚がわからん人には、RFIDの未来なんて語って欲しくないし、明らかな嘘(→羊堂本舗を参照)で利用者を間違った方向に誘導するなんてもってのほかだ。
■ Blaster対策(2)
たまったメールをやっつけようと思ったが、早起きして眠いのでもう帰ります……。
あはははは.みんな感染しちまえ!
お疲れ様です。俺も昨日、対策のため呼び出されました…
あはははは、うちはシステム部門はなにもやっていないようです。おまえら全員感染しちまえ!(そんな私はMacユーザ)
「WindowsUpdateは危ないので使ってません」とか知ったようなこと言うヤツもいるしさー。危ないのはおまえだっつーの。
LANケーブルをこっそり抜いてまわるとか、ハブ止めるとかした方が早かったんじゃないでしょうか?
PCが何百台もあるからね。人手とコストの関係でこのような対応しかできなかったと。
張り紙って悲しくなるほど読んでもらえないんですよね。
「固有IDのシンプル・シナリオ(3)」が二つありますぜ。
それはともかく、森山さんは放りだした前科持ちなので、『良い推進派』の方の意見を訊きたいな。
# 森山さんの文章をきちんと読んでないけど、余りに足りない内容に思える
放置したら前科扱いっていうのもどうかと。
>現行の読み取り機よりも100倍出力が大きくて、
>100倍感度が高いものを
軽く突っ込みを入れますと
1.100倍出力が高かったら電波法に触れる
2.100倍出力が高かったら近くのRFIDタグが破損する
以上の理由により現実的には考えにくいと思います
なるほど、破損の可能性には考えが及びませんでした(電波法はたいした抑止力にならないと思いますが:-)。でも、商品管理タグはどんなに近くでスキャンされても破損してはいけないのだから、Suicaに限定しなければこの思考実験自体は間違っていないと思います
update-rc.dよりもntsysvライクなrcconfをapt-get installすることをお勧めします :-)