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ただのにっき


2023-06-14(水) [長年日記]

グスタフ、骨になる

[写真]骨壺に入ったグスタフの遺骨と花束

昨日はかかりつけの動物病院へ連絡したところ、ていねいなエンバーミング後、ぴったりの棺に入れてくれるサービスをしてくれた。休診日だったのにありがたいことだ。そもそもここの診断がなければ半年以上前にこの日を迎えることになっていたわけで、命の恩人としてももはや足を向けて寝られない。今日はそのとき紹介してもらった、大和市にあるペット専用の葬儀場へ。施設としては火葬場に墓地が併設されているものだけど、自宅に庭があるので墓はいらないね、ということで火葬だけ、いちばんいいコースでお願いした。

さすがに出棺のときはべそべそ泣いてしまったが(ここでキャンセルして連れて帰る人もいるらしい。わかる)、がんばってお別れをした。形見として毛を一束切らせてもらい、子猫のときからずっと持ち歩いていたFC東京のタオルマフラー(すでに赤青のボロきれにしか見えない)を一緒に棺へ入れた。グスタフはなぜか手を握ってやるととても安心する猫だったので、別れ際にそっと握ってやったら、体の他の部分はもうカチカチなのになぜか肉球だけはまだ柔らかくて、こっちの指先を優しく押し返してくれた。最後までかわいいやつ。

待合室で一時間ほど待つと、骨上げに呼ばれる。

驚いたことに、ステンレスのトレイに骨格標本のようにきれいに並べられて出てきた。すごい、人間の葬儀でもこんな仕事みたことない。なんといっても目を引くのは、トレイを半周するくらいに長い尻尾だ。グスタフ自慢のしなやかでまっすぐな尻尾が、死んで骨になってもきれいで表情豊かなのをみて、なんだか誇らしい気持ちになった。やっぱ史上最高の猫だよなぁ。

とにかく始終ていねいかつ厳かな対応と、宗教的な押し付けのないセレモニーで、とても好感が持てた。病院といい葬儀場といい、この2日間で愛猫を失ったこと以外でいやな思いをひとつもしなかった。ありがたい。

とはいえ疲労困憊なので、帰宅後はただゴロゴロしながらGoogle Photoでグスタフの写真を眺めてすごした。スマホの登場とタイミングが同じだったこともあって、無限に写真がある。ひとつとして同じ表情の写真がなくて、一日眺めていてもぜんぜん飽きない。おれの胸の上に乗って香箱を組むのが好きだったので、同じアングルはたくさんあるけど。

[写真]脚の間におさまって手を握ってもらうグスタフ

Tags: gustav

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