ただのにっき
2020-07-30(木) [長年日記]
■ 映画「LITTLE WOMEN」を観てきた
邦題は「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」だそうです(ため息)。かなり美しい絵作りの映画だったのに、この邦題じゃまるでクソダサB級映画じゃねーの。
かみさんが観たいと言ってた映画が今日までとのことだったので、仕事を少し早めに切り上げてイオンシネマ座間へ。このコロナ禍まっただ中にオープンした、というか当初のオープン予定からはだいぶ遅れたと思うけど、すでに開業後しばらくたっている、はず。我が家からがんばれば歩いて行ける、これまでの生涯でもっとも近所にできた映画館だ。イオンモールの中にできたと聞いたときはあの建物のどこにそんなスペースが!? と疑問だったのだが、なんと別に建てた平屋のシネコンだった。なんて贅沢な。
広々としたロビーは平日なので客も数人しかおらず、宣伝映像もポスターもほとんどなく(なんで?)、なんとも殺風景なのだった。この時節、映画館経営は大変だと思うけどがんばってほしい……。なお座席は1つおき、チケットもぎりの前に体温測定。このスマホっぽい体温測定とマスク着用チェックをする端末、一昨日行った日帰り温泉でも導入されていたな。こういうところだけ儲かってる感がある。
「若草物語」を読んだことがあるかというとだいぶ記憶が怪しくて、読んだ覚えはあるがマンガや子供向け抄訳かも知れず、少なくとも下巻はちゃんと読んでない気がする。そこに「ガラスの仮面」の記憶がおおいかぶさるものだから、だいたい猩紅熱のエピソードだけが印象に残っているのだ*1。なのでどれくらい原作に忠実な映画化なのかはまったく判断できない。
少女時代を断片的に振り返る構成になっていて、そこは原作と違うのはわかる。おかげでかなり時制が入り乱れるからときおり理解が追いつかなくなることがあるが、なんとなく着ている服から時代がわかるなぁと気づいてからはわかりやすくなった。
アカデミー賞で衣装デザインを獲ったくらいだから衣装がどれも素敵で、観ていて楽しかった。4姉妹にキャラカラーの設定があるあたりは、アニメやゲームでおなじみな感じでちょっと面白い。あとローリーの着ているシャツがいちいち軽薄なところとか。
主役たるジョーとその相方ローリーの演技は素晴らしかったが、それ以上にベスの死期を悟ったゆえの覚悟の眼力が印象に残っている。そして「エマ・ワトソンもう30歳マジで!?」。
全体としては、佳作だけど傑作ではないかなぁというところ(アカデミー賞も衣装以外は獲れなかったようだし)。女性の権利(と経済)に関する主張が強めだったけど、これが原作の「解釈」によるものなのかどうかは、先に述べたとおり判断できない。あとで青空文庫でも読むとしよう。
*1 その上「赤毛のアン」ではアンが大人の手を借りることなく猩紅熱に勝利するエピソードがあるのでさらに記憶がややこしくなる。