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ただのにっき


2019-09-13(金) [長年日記]

映画「この素晴らしい世界に祝福を 紅伝説」を観てきた

ここ数年TVアニメをそれなりの数観ていてわかったのが、作品に対する自分の評価基準がとても高いということだ。とくに登場人物の人となりがちゃんとしていて、おかしな行動にもそれなりのバックグラウンドが感じられないとダメ*1。なので大勢が褒め称える作品でも「あれがダメだ」「ここが足りない」となって、気に入るのはせいぜい年に数本というところ。とくに「なろう系」、中でも「異世界転生モノ」はお約束に頼るあまりそのあたりが雑なものが多くて、最近は食傷しすぎて視聴候補にすら入らない。

そんな異世界転生モノの中でほぼ唯一好きだったのが「このすば」で、異世界転生モノ(のダメなところ)を徹底的にパロディにしたコメディ作品というのが気に入ってるし*2、それでいて人物描写に手抜きがないのが良い。あと雨宮天の当たり役ってぇのもいいですね。なのでTVアニメ1期、2期ときて劇場版公開となれば観ない手はないわけです。

実際期待に違わぬ面白さで、終始笑いっぱなしながらもところどころにしんみりするところやハラハラするところもあってバランスが良い。なにより感心したのが、アクアやダクネスの出番が明らかに少ないところ。タイトルから予想されるとおりこの作品のキーパーソンはめぐみんなわけで、へんに「全員に均等に出番を」みたいな忖度がなくて、フォーカスがしっかり定まっていたのが素晴らしい。おまけに紅魔族の出生の秘密や*3、ゆんゆんにいい感じの見せ場があるのも好き。

まぁそういう細かいところも面白いけど、おなじみの4人組によるハイスピードなコメディを無心で楽しむのが吉。もしアクアやダクネスにフォーカスした続編があったらきっと観る。

[写真]入場者特典はゆんゆんの色紙

Tags: movie

*1 「SFは人間が描けてないからダメ」と言われ続けた世代がこのザマである。というか言われ続けてきたからこうなったとも言える(笑)。

*2 コメディ好きはタイムボカンシリーズで育った影響だと思う。

*3 「過去に活動していた別の転生者」の足跡がメタっぽいけどメタじゃないあたり、個人的にはかなりツボで笑いっぱなしだった。

映画「プロメア」を観てきた

[写真]イオンシネマ海老名のプロメアディスプレイ(!)

続いてそのまま「プロメア」へ。TRIGGER作品でなんか評判いいらしい……くらいの前提知識ほぼゼロ。もう上映を終えてしまった映画館も多い中、なぜかイオンシネマ海老名だけはTHXのスクリーンで上映を続けていて「なんでかなー」と訝りつつ行ってみたらこんな状況だった。調べてみるとオーディオコメンタリー上映なんてことをするほど支配人が入れ込んでるらしい。えー、ってことは事実上の旗艦店じゃないの。えらいところに来ちゃったな(笑)。

といっても平日、観客は多くない。が、どう見ても濃いメンツ。しかもなぜか女子率高し。なんでこんなに女子ばっかりなのかという謎は作品を見て判明するわけだが*1、それはさておき。

映像表現はじつに素晴らしかった。荒いポリゴン、ビビッドカラー。それをTRIGGERならではの極端にパースのかかったアクションが彩る。キャラもステレオタイプながらそこそこ個性的で。THXの極上サウンドで観られたのも良かった。まー、とにかく迫力満点で、視聴覚的には非常に楽しめたね。

一方シナリオや演出は……「うんまぁTRIGGERだよね」という範疇からはみ出ることはなかったかなー。TRIGGER作品って、過剰な「インフレ」がパターン化しすぎて、スケールさえでかくすればいいんだろみたいな開き直りが感じられてあんまり好きになれない。今回は太陽系から出ることはなかったからそんなにインフレしてないとも言えるし、別宇宙まで巻き込んでいるんだから今まで以上にインフレしてるとも言えるけど、そんなもんで「スケール」されてもシラケるんだわ。そろそろ別の見せ方にも挑戦してほしいと思った。一言でいうと「芸がない」。

Tags: movie

*1 いわゆる腐女子層をひきつけているわけですね、グレンラガンと同様、明確な性愛を伴わない男性同士の描写あれこれ。


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