2017-02-04(土) [長年日記]
■ 映画「スノーデン(SNOWDEN)」を観てきた
おっ、ひさしぶりにまともな邦題*1。かみさんが観たいというのと、おれも業界的に観ておくべきかなーと思ったので行ってきた。ひさびさにTOHO海老名。そういえばグランベリーモールが一時閉鎖になるので、また近場の映画館が海老名になってしまうのだなぁ。
冒頭に流れていた「サバイバルファミリー」の予告を「電気がなくなったら神経伝達ができなくなって全員即死だよなぁ。そもそも電気ってなんだ。電磁気力がなくなったら宇宙崩壊じゃね?」とか思いながら観てた。←本編関係ないうえに夢がない
NSAから持ち出した機密情報をぶちまけたエドワード・スノーデンに関する、ドキュメンタリー風の作品である。その機密情報には興味があるものの、スノーデンに関する個人的なことがらには興味がなかったので、どこからどこまでがフィクションなのかよくわからなかった(ので全部フィクションのつもりで観る)、そういう観点では盛り上がりに欠ける映画であった。そりゃそうだ、ストーリーはだいたい知られてるわけだし。
最初に接触したマスコミ連中と篭っている香港のホテルでやたらと窓の外からの絵があったり、バーベキューのシーンで意味ありげにドローンが飛んでいたりして、どんなときでも監視されているんだぞという暗喩が読み取れたりはしていたが、それでも最終的にはスノーデン事件の影響で世の中がちょっとだけ良くなったかのようなオチがついて、めでたしめでたし(?)的な内容。たぶんこれ撮ってるときはアメリカの次期大統領が史上最悪の人物になるとは想像してなかったんだろうけど。
でもさー、2017年にもなってコンピュータをまともに描けてない映画は、仮に内容がどんなによくてもダメだと思うよ。ハッカーが主人公の映画なのに、素人ウケを狙って過剰な演出を入れちゃうの、ほんとセンスがない。オリバー・ストーンみたいな年寄りがコンピュータとインターネットを扱う映画を撮るのは無理があるのでは。主人公が複数のファイルをコピーするためにD&Dしたとたんにファイルの数だけダイアログボックスが開いたときには卒倒しそうになったわ。
というわけで、主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットがスノーデン本人に似すぎているという点を除けば、それほど観るべきところのない映画だった。いやほんとに似てるんで、それは面白かったんだけど。
*1 とはいえ、映画の情報を得ようと思ったら公式サイトにある小さくて目立たない「ABOUT THE MOVIE」という英語のリンクをクリックしないといけないのはダメすぎです。
ありゃー、コンピューター関連の描写ダメダメだったのかー。
シチズン・フォー(ドキュメンタリーの方のスノーデンの映画)は
GPG使ってメッセージをやりとりしているような描写が
ちゃんとあったりして割とまともだった(クレジットにも言及があった)のですが、盛り上がりにはちょっと欠けていた感じがあります。
舞台がサイバーで現在進行中のことなので、盛り上がりに欠けるのはまぁしょうがないですね。派手にしようとすると嘘が入るわけだし。
なお、上記以外のダメな描写には、テキストコンソールに何か入力するたびに謎のピコピコ音、出合い系SNSのありえないウィンドウ挙動などがあります。