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ただのにっき

2015-02-04(水) [長年日記]

連環宇宙 (創元SF文庫) (創元SF文庫)(ロバート・チャールズ・ウィルスン)

三部作の一作目はかなり気に入ったと書いておきながら、最終作である本書を読むまでに3年ほったらかしだったのは、二作目の印象があまりパッとしなかったのと、同じ作者の別の作品はもうひと息という感じだったせいかなー。Amazonが出版を知らせてくれなかったというのもある(笑)。

でもまぁ、けっこう楽しめたかも。スピン後の地球の人々と、そこからさらに一万年後の人々の時間が交錯する、ちょっと時間SFっぽい要素もあるストーリーで、ウィルスンらしい現実感のある人間ドラマも相まって遠未来を舞台にしているわりには感情移入しやすかった。登場人物の背景に「取ってつけた」感がないのが良い。

集合意識となった人類に、大脳皮質を共有する一派と辺縁系を共有する一派があって……という設定が一番おもしろかった(けど全体を共有する派閥がないのはなぜなんだ)。一方、仮定体の正体はありきたりで、面白くもなんともなかったなぁ。けっきょく、SF的なディテールはそんなに面白くないけど人間ドラマで読ませるという、一作目と同じ系統だったのだった。宇宙の終焉まで描いておいて、それでいいのかという不満は残るが。

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)
ロバート・チャールズ ウィルスン
東京創元社
¥300

9784488706043

無限記憶 (創元SF文庫)
ロバート・チャールズ・ウィルスン
東京創元社
¥1,364

連環宇宙 (創元SF文庫) (創元SF文庫)
ロバート・チャールズ・ウィルスン
東京創元社
¥1,102

Tags: book sf