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ただのにっき


2013-09-14(土) [長年日記]

イプシロンロケット打ち上げ成功

[スクリーンショット]ニコ生の様子

0.07秒のずれのおかげでいったん中止になっていたイプシロンロケットの試験機打ち上げ、今日が再チャレンジだというのでTwitterの宇宙クラスタが朝から騒がしい。こっちもニコ生公式の中継を開いてスタンバイ。土曜日にやってくれるとは、最近のJAXAは本当にサービス精神が旺盛で良い良い。

で、肝心の打ち上げの瞬間はちょっと出かけていて見逃してしまったのだけど(おい)、順調に飛行してほぼ予定通りの軌道で衛星を分離、無事に成功となった。新型のロケットを事実上一発で成功させるんだからたいしたものだよなぁ。めでたい!

それにしても、じわーっと上がる液体ロケットに比べて、固体ロケットは速くていいね。ニコ生のカメラも追尾できてなかったしな(これは想定通りだけど[笑])。マニアな人たちがやってた別の生中継ではちゃんとフレームに収めていたようで、さすがである。「お家芸」という意味だけでなく、ロケットの推進方法にバリエーションが残せたという意味でもすばらしい。多様性は善。

Tags: space rocket

2013-09-11(水) [長年日記]

富田倫生が残した「本の自由」

仕事でアクセシビリティとの関係はなくなってからもアクセシビリティキャンプ東京のスタッフを続けていたりしているのだけど、同様にAccSellのポッドキャストも毎回聴いてたりする。先日公開された第27回後編:「おかんはDropboxとかEvernoteとか分からない」が面白くてですね、これが。

梅本暖さんをゲストに迎えて、青空文庫にある文章を読み上げる「音声文庫」というアプリの開発秘話をインタビューするという趣旨なんだけど、梅本さんの「聞きたい欲」がちょっとおかしいレベルなわけ。なにせ、自炊した本をわざわざ自分で買ったOCRにかけてからMP3に変換してまで音声化していたという。そこから(自炊する必要のない)青空文庫にたどりついてアプリ開発に至るまでに、その道程になるような音声関係のアプリがいくつもあって、どれもいわゆるアクセシビリティについてはぜんぜん意識せずにやっていたと。

で、そういう面白話はもちろんだけど、こういうアプリがスムーズに作れる「自由」があったということ、それこそが青空文庫の最大の価値なんだよなぁと思ったのだった。

8月11日に富田倫生さんが亡くなったという報を聞いて、最初に思ったのが「TPP交渉で著作権が70年まで伸びたら青空文庫はおしまいというこの時期になんで!」ということだったのだけど、富田さんはもう十分に大きな仕事をされたのだから、あとは残ったわれわれが引き継がないといけないのだよなぁ。とりあえずは寄付かなと思ったものの、なんかすっきりしなくてまだしてない。

というのもまぁ、この活動を仕切ってるっぽいのがボイジャーだからなのだけど。上で述べたように、青空文庫の価値はその「自由」さにある。そりゃパブリック・ドメインなんだから当然だけど、公開されているデータが自由に加工が可能なテキストだからこそ音声データに変換できたし、その他さまざまな研究の素材にもできる。紙に印刷されていた頃の本にはできなかったことができる。「本の未来」って、こういうことだと思う。

そう考えると、ボイジャーがやってるBinBってのはまったく自由じゃない(5つの自由があるなんて書いてるけど、こんなの自由でもなんでもない)。好きなフォントで読むこともできない、コピペすら満足にできないような「自由でない本」を扱う電子書店が、青空文庫や本の未来を扱う? そりゃないだろうセニョール。

富田倫生追悼イベントを富田倫生とゆかりの深いボイジャーが仕切るのはなんの不満もないけど、本の未来までは語って欲しくないんだな、おれは。青空文庫の収入は毎年下降してるっぽいので、それが増えるに越したことはないんだよねぇ。まずはこの基金がへんな色を付けずに運用されるかどうかを見守るのかなぁ。なんとも消極的態度だけど。

Tags: ebook

2013-09-08(日) [長年日記]

マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)(芝村 裕吏)

星海社の最前線に載っていたのを見かけて面白そうだとKindleに放り込んでおいたら(そして積読の山に埋もれる)、アフタヌーンでコミック版連載が始まってしまい、慌てて取り出して読んだ。原作の方はもう4巻まで出ている(のでそれなりに人気はあるんだろう)。

ラノベっぽい体裁だけどラノベじゃないのかな、主人公30歳だしな。原作では単に肌の荒れた売春婦と描写される女性が、コミックでは美人でおっぱいが大きくてときどき服を脱ぐようになっていて感心したり。

プロットはあれだ、『エンダーのゲーム』そのまんまで、舞台が未来の宇宙戦争から現代の地域紛争に、主人公が天才少年から元ニートになった感じ。とはいえ、現代の戦争はすでに遠隔地からドローンを使って攻撃するようになっているので、フィクションだけど設定自体はかなりリアルな問題意識に基づいているといえる。

で、面白かったかと問われればまぁ面白かった。一気読み。文章下手だなーとは思ったが、主人公の手記という体裁なのでまぁ良い。平和な日本では発揮されなかった主人公の才能が戦場で花開くというのはなかなか痛快だ。もっとも、戦術の訓練しか受けていない主人公が、終盤になってとつぜん戦略的なことをしゃべり始めるのは、2巻以降の展開がミエミエでちょっと白けた。

続きを読みたいかと問われると……うーん。たぶん続編はもっと荒唐無稽な展開になるだろうし、ついていけない気がするね。少年兵を戦わせ続ける「大義」をどうでっち上げるのかには興味があるけど。まぁどっちにしろ、1巻だけ電子媒体で配っておいて、2巻以降は紙で買ってねというスタイルのシリーズは買わないのだが。

マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)
芝村 裕吏
星海社
¥1,320

9784061388390

9784061388543

マージナル・オペレーション 04 (星海社FICTIONS)
芝村 裕吏
星海社
¥1,375

2020年のオリンピックが東京に決まる

未来の自分が読み返したときにたまには時事ネタでも入っていたほうがいいんじゃないかと思うので。東京招致にはあんまり賛成していなかったけど、せっかく決まったんだからしっかりやりましょう、という感じだ。「おもてなし力」に関しては世界に誇れる我が国なので、きっと楽しいオリンピックになるでしょう。ただし、長野の開会式の再来だけは勘弁な。

で、今から7年後というと遠い未来のような気がするけど、じゃあ7年前はどうだったのよと日記を読み返してみると(長く日記を書き続けているとこういう「お楽しみ」ができる):

  • まだApple製品を使っている (過去にもどって「やめとけ」と伝えたい!)
  • まだQuakeで遊んでいる
  • GTDを始めた
  • パラボラアンテナをよく見に行っている

といった感じで、継続半分という感じだった。7年なんてすぐだな。


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