トップ 最新

ただのにっき

2013-01-05(土) [長年日記]

映画『レ・ミゼラブル』を観たら大失敗だった

いやー、退屈だった。3時間ちかく拘束されてあれはない。ネットの評判は悪くないようだけど、個人的にはどうしようもない駄作だと思う。ミュージカルを撮るなら『サウンド・オブ・ミュージック』を100回観てから出なおしてこいと。

何が不満って、歌のパートがクローズアップばかりなのだ(セリフがほぼない完全なミュージカルなので、つまり声の入っているシーンのほとんどがアップということ)。それも顔面だけにピントの合ってるやたらと被写界深度の浅い構図ばかり。アン・ハサウェイがどんなに美人でも、ただただ泣きながら悲惨な境遇を訴える歌を延々とアップで見せられたら苦痛だわ。著名な監督だし、何か意図があっての演出かもしれないけどさ、顔の表情以外の演技を見せてよ!

あと、画面が小奇麗で臭いが伝わってこない。貧民街の住人はもっと脂ぎってて臭いだろうに、単にすすで汚れているだけにしか見えない。下水道のシーンも、浅い沼地ていどの汚さしか感じない。銃撃戦でも血の匂いがしない。おかげで、セリフ(歌詞)以外の要素からも伝わってくるはずの悲惨さがぜんぜん足らないと思う。あと、CGがのっぺりしていて、汚しが足らない気がした。

ストーリー的には「みんな自分だけの勝手な正義や善を神の名のもとにふりかざして、神さんも大変やなー」という感想なのはおれが無神論者だからだろう。登場人物の中で一番共感できたのが宿屋の夫婦だし(笑)。ジャン・バルジャンの超人っぷりにスポットをあてたエンターテインメントに仕立てたらもうちょっと面白くなったんじゃないかと思う(←ひどい)。

Tags: movie