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ただのにっき


2012-02-10(金) [長年日記]

ベテルギウスの超新星爆発 加速膨張する宇宙の発見 (幻冬舎新書)(野本 陽代)

本が好き!の献本抽選は、なぜか4回に1回かならずあたるんだけど、これ本当に"抽選"なんだろうか(笑)。

というわけで、ふらっと応募したら当たってしまった本書、ベテルギウスに固有の話は最初の章だけなので正直タイトルに偽りありだけど(で、そのことに文句たらたらなレビューがAmazonに複数あるわけだけど)、超新星を題材にした現代宇宙物理学の一般向け啓蒙書としてはいいセンいってると思う。副題の「加速膨張する宇宙の発見」が真のタイトルだ。

ちょっと天体物理学をかじったことがあれば中盤の「星の一生」の話は初心者向けすぎてかったるいかも知れないけど、終盤、2011年のノーベル物理学賞にもなった「宇宙の膨張が加速している」という話とそこに至るさまざまなブレイクスルーの話はとても面白かった。観測機器の進歩にともなってどんどん新事実が出てくるところとか、観測結果に合うようにさまざまな理論が提出されるさまとかの科学的側面に関する話題だけでなく、ライバルどうしのつばぜりあいみたいな人間ドラマまで盛り込んであって、薄いくせになかなか盛りだくさん。現代の天文学が、ものすごくダイナミックなことがわかって楽しめた。

ところで、冒頭の「ベテルギウスが2012年に爆発する」という「デマ」が、専門外の学者による不用意なひとことに尾ひれがついて注釈が欠落して無責任に伝播したという分析が、ここ1年間われわれ日本人が振り回された原発がらみのデマ騒ぎと構造がみごとに重なって、どこの世界もいっしょか……とビミョウな気分になってしまったよ。ちなみにベテルギウスは今年爆発してもおかしくはないけど、誤差は10万年くらいらしいですよ。天文スケールだと10万年でもすごい精度だ。

Tags: book

2012-02-09(木) [長年日記]

猫の引っかき傷を湿潤療法で治したら跡が残らなくなった

※いちおう経過観察の写真を残してあるけど軽くテロっぽいので割愛。かわりにかわいいドーラの写真を置いておきますね。

[写真]紙袋の中にひそむドーラ

グスタフもドーラもすっかり成猫になったとはいえ、遊びに夢中になって理性が吹っ飛ぶと爪が出てしまうのはしかたがないわけで(特にグスタフがそのタイプ)、いまだに引っかき傷が絶えない。どういうわけか猫の引っかき傷だけ治りが悪くて、1日もすると傷の周囲が赤く腫れてやや化膿ぎみになるばかりか、かなりひどい跡になる。同じ環境にいるかみさんはそんなことないので体質の違いなんだろうなぁ。

その手の病気についてはいくつかアドバイスをもらっていて、最初は猫ひっかき病じゃないかと言われたんだけど、ちょっと症状が違う。むしろ最近知ったパスツレラ症の軽度なヤツという感じ。いずれにしても痛みはほとんどないので、跡にさえならなければ特に困らないのだよなぁ。

ということで、試しに湿潤療法をやってみることにした。といってもラップを巻くのはなんというかあからさまに民間療法っぽくなってしまってイヤなので(笑)、素直にバンドエイドのキズパワーパッドを買ってきたのであった。

まずは、すでにかさぶたのできていた深めの爪あとに適用。マニュアルには1日以上おいた傷には使うなと書いてあるけど、理屈の上ではかさぶたさえなければ貼ってもいいはずである。風呂に入ったらかさぶたがふやけて剥がれてしまったので、これ幸い(?)と貼ってみたのだった。あとは数日そのままにしておくと、白い部分が大きくなってはみ出そうになったので貼替えるということを繰り返していたら、1週間くらいで傷がふさがった。1週間でもこれまでよりずいぶん早いし、おまけに傷跡が盛り上がることもなく、ちょっと赤っぽい新しい皮膚がフラットに生成されている。これは好感触。

そのあとすぐに、今度は長さ数cmの真一文字の引っかき傷ができたので、こんどはすぐにきれいに洗ってから適用してみた。ちなみにキズパワーパッドは中央部分だけ大きくてまるでその部分しか薬効成分(?)がないような形状だが、全体が同じ素材なので細長い傷に沿って貼ればよい。

こちらの傷は浅いこともあって5日くらい貼りっぱなしでも白い部分がはみ出ることもなく*1、はがしてみたらピンク色の新しい皮膚が細い線状にあるだけでほとんど跡らしい跡にはならなかった。湿潤療法すばらしいじゃないの。

少なくともおれの猫傷には完全にマッチする治療法だとわかった。Amazonでも買えるとわかったので、常備しておこう。

BAND-AID(バンドエイド) キズパワーパッド ふつうサイズ 10枚 管理医療機器
-
ジョンソン・エンド・ジョンソン
¥789

*1 ただ、腕の上に白くて細長いものが乗っているのは、なんだか軟体動物的なものが這ってるみたいで見た目は相当キモい。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

ToshiOkada [たださん,ヒョッとして乾燥肌の体質ってことはありませんか?。 ネコの爪には,まだ正体不明で抗生剤も効かないバクテリア..]

ただただし [いや、よっぽどの水仕事でもしないかぎりハンドクリームもいらないくらいなので乾燥肌ってことはないですね。 もちろんキ..]


2012-02-08(水) [長年日記]

Bitcasaを使い始めているけど(Windowsでは)まだまだ不安定か

昨年、震災の教訓からBackblazeを使ってオンラインバックアップを始めてみたのだけど、幸いにしてまだその恩恵にあずかったことはない(というか年末にPCをリストアして以来、新規にバックアップをやりなおしている真っ最中)。Backblazeからの全リストアはおそらく悪夢のように遅いと思うのだけど、それも低コストで運用するために必要なトレードオフだ……と思っていたのだが。

昨年からよく耳にするようになったBitcasaはその常識を覆す本物のクラウドストレージで(参考: Bitcasa、容量無制限のクラウドディスクが月額10ドルで)、性能が出るならかなり期待できそう。

ということで、先日kitajから招待してもらったのだった。

Windows用のクライアントはまだα版だったのでほんとにちょこっと試しに使ってみる程度。ちなみに以前日記で触れたこともあるDokanライブラリが同梱されていてびっくりした。Windows向けの仮想ファイルシステムって他にソリューションないのか。

使い方は簡単ながら、何が起きているのか理解するのはちょっと難しい。クラウドにアップロードしたいフォルダを指定すると、まずはその中のファイルのアップロードが始まる。で、それが完了するとオリジナルのフォルダには「.original」というサフィックスがついて退避され、オリジナルの占めていた位置はBitcasaのキャッシュフォルダに対するリンクが占めるようになる。つまり、元と同じ感覚でアクセスすると、その先はすでにクラウドになっているという寸法。透過的で実にカッコイイ。

……カッコイイんだけど、なにかと危なっかしいことをしているようで、何も考えずに音楽フォルダを放り込んだらiTunesが立ち上がらなくなってしまった(笑)。いやもう焦ったね。なんとか元に戻せたけど、既存のフォルダをいきなりクラウド化するような使い方は危険かも。今はBitcasa専用の空フォルダを指定してから、そこにテストファイルを放り込む形で試用中。

日本語ファイル名の扱いや、異種OS間での運用にまだまだ課題があるという話も聞くので、少なくともWindows版はαが取れるまで安心はできなさそうだ。ダウンロードも期待したほど速くないし、大きいファイルを相手にするには厳しいかも。まぁ、元ファイルは残っているから安心だし、しばらくはいろいろ遊んでみる。

Backblazeの更新時期が5月末にくるので、それまでに安定してくれるなら乗り換えてもいいと考えてたが、さすがにちょっと無理かなぁ。


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