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ただのにっき

2010-11-15(月) [長年日記]

デザインする技術 ~よりよいデザインのための基礎知識(矢野 りん)

積読箱の奥底から発掘(またか)。2006年の出版だけど、古びないタイプのいい本でした。

著者の矢野りんさんは個人的に最近やたらとよく見る名前で、なんでかっつーと日本Androidの会 女子部で活躍されてるからだ。多才な人だよなー。

紙・ウェブに限らず、「デザイン」に関わるさまざまな技術や考え方を見開きないしは1ページで簡潔に解説して並べた本。いわば「デザインに関するパターンカタログ」になっていて、これが実にわかりやすい。以前取り上げた情報アーキテクチャについての本が同じ狙いでみごとにカタログ化に失敗していたのと対照的に、こちらは各項目の粒度も揃って独立性も高く(でも関連性が高い項目は近くに配置してあったりして)、すごくよく考えられていて感心してしまった。

とはいえ、これからデザインを志す人が読むものではないと思う(というかおれだってそんなつもりはない)。「パターン」になっているということは、ここで取り上げられているのは「語彙」なのだ。デザイナが持ってきたデザインの「意図」や「背景」を理解して、その上で的確な注文をつけたりするための共通言語なんだな、この本に並んでいるのは。

というわけで、デザイナじゃない人がデザイナと対等に会話をするための基礎固めの本、という位置づけがいいんじゃなかろうか。

Tags: book