2010-02-12(金) [長年日記]
■ 修善寺の「あさば」に泊まってきた
年端のいかぬ子猫(というにはずいぶん大きくなったが)がいるので、長期休暇といっても海外逃亡などするわけにもいかず、近場で一泊、そのかわり思い切り贅沢しよう! ということになった。選んだのは伊豆修善寺の「あさば」。ググればわかるように、とにかく食事が美味いことで有名な宿で、多くのレビューで食事のことしか書かれていない(笑)。
もちろん食事は文句なし、一品一品口に含むたびに目を見張るほどで、隅から隅まで美味しくいただいたのだが、それ以外の部分でもすばらしくて、こういうちゃんとした宿に泊まると、ユーザエクスペリエンスとはなんなのか、思わず考えてしまうねぇ(←職業病)。
最初、部屋の設備について説明されているときのこと。浴衣のほかにオリジナルのパジャマが置いてあるのだけど、「紺のラインが入ったのが男性用」ときたあとに「女性用がグレーのラインです」と続いたときに「おっ」と思った。企画力がないとここは品のない赤かピンクになるところなのに、ちゃんと頭使ってるなぁ。他にも、2本ある歯ブラシが色違いだったりして(夫婦で泊まってると前日に自分が使った歯ブラシがどっちだったか毎回悩むことになる)、単にコストをかけて贅沢を演出するんじゃなくて、知恵を絞って上品さと快適さを提供してるところがすごい。
前日におれが左手で箸を使っていたことに気づいていた仲居さんが、朝食ではおれの膳だけちゃんと箸を逆向きにセッティングしてくれたり。日ごろから虐げられがちなレフティとしては、こういう気遣いをされるとそれだけでノックアウトされちゃうわけですよ。こういうことに配慮してくれる仲居さんがいるというのがもう、最高の贅沢。
もちろんコストをかけた贅沢もある。露天風呂に置いてあるバスタオルが保温器に入っていたときはさすがにビックリしたし(帰り際にも靴が温められていたり)、能舞台を持った広大な池が敷地の半分以上を占めるというのがそもそもすごい贅沢な造りだし。
唯一、難点をつけるとすれば、部屋付のTV。コンセントを隠したり、いろいろ目立たせない工夫をしていたけど、あれはいらないね。でもまぁ、これはああいうところでもTVを観たがる客の方が悪いのでしょうがないんだろうなぁ。
他はもう、なにもかもほとんど文句のつけようがなかったので、チャンスがあればまた行きたい。というか、こういうとこ泊まっちゃうと、他が色あせちゃって困りそうだ。
これを見て、自分で行くときには「テレビはしまっといてください」てお願いしようと思いました。
ものすごく役に立つレポートだ!!