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ただのにっき


2009-12-26(土) [長年日記]

TAP (奇想コレクション)(グレッグ イーガン)

いやもう、ぜんぜん本を読まなくなってしまった。SFマガジンの購読をやめると同時に読書習慣そのものが消滅したという事実に愕然とせざるを得ないわけだが。おれの読書は、SFマガジンに駆動されていたのか?

とはいえ山盛りになった「積ん読箱」は健在なので、少しずつでも解消しなくてはいけないと思い、読んで楽しそうなのから優先的に読むことに。で、この本を読むのに3週間かかったりして。どうなのそれって。

イーガンの短篇集だからと言って、今まで邦訳された作品群と同じトーンを期待するとがっかりすること間違いなしの奇想コレクション。ファンタジーっぽいのからホラーまで、「えっ、これがイーガン!?」とびっくりする作品が過半数を占めている。で、これが面白いかと聞かれると、ちょっとビミョーかなー。初期作品は迷走してるっぽいし、ホラーもあんまり怖くない。

あと、短編としてはどれもピリっとしてない感じ。表題作の「TAP」は、設定もストーリー運びもすごくイーガンっぽくてなかなか面白いんだけど、結末はあっけないというか、もうちょっとひねって「ゾクっ」とする読後感をもたらしてくれてもいいんじゃないかな、と思う。もちろん及第点なんだけど、イーガンだけに過大な期待をしてしまうので。

Tags: book

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