2009-06-21(日) [長年日記]
■ レインボーズ・エンド上 (創元SF文庫)(ヴァーナー・ヴィンジ)
『アッチェレランド』の次に手に取ったのがヴィンジというのは意味深なようだが、未読山脈の一番上に乗ってただけである。
というか、そもそも<シンギュラリティ>を正面切って扱っているわけでもないし。あと少しで<シンギュラリティ>な未来が見えてきそうな時代が舞台ではあるけど。ウエラブル・コンピュータやユビキタスネットワークが極限まで進んだような近未来で、こういうのを描かせたらヴィンジはすごく上手い。
ただ、こういう「文明」はすごくリアリティがあってすごくよくわかるんだけど、「文化」についてはなんだかよくわからないんだよね。登場人物たちの行動の動機が見えにくくて、同時代人になった気分で読み進めることができない。
もっとも、アルツハイマーから復帰した老人たちが、古い技術と最新技術を組み合わせて活躍するのは痛快で、そういうところは面白い。ラストのほんわかした雰囲気もいい。佳作。未解決の伏線とかもあるので、続編が出そうな気もするけど、どうだろう?
これはジジイSFの傑作ですよ。我々の世代のSFということで。
ミリとか,もう娘の顔がだぶって見えます @:)
そうか、やっぱりそういう読み方をするんだw
ってことはおれも読もう。
そうなのか。読んでみなくては。