2008-10-03(金) [長年日記]
■ ぼくは落ち着きがない(長嶋 有)
翻訳SF冬の時代なので、普通小説にも手を出しているところ。にじむさんの書評を読んで面白そうだったので。『図書館戦争』も完結したことだし、図書館つながりで。いや、こっちは図書室だけど。
というか、ジャケ買いの疑いが濃厚だな。読んでる最中にふと手に取ったQuick Japan vol.79に、表紙イラストの衿沢世衣子が連載している『天心モナカ』が載っていて、よりによって最終回だったので、単行本が出たら買おう。なんだか力の抜けた線が好みだ。
まぁなんつうか、基本的に文化部モノが好きなんだ。といっても思い出すのは高校時代にやっていたのブラスバンドではなくて(あれは体裁は文化部だが本質的にはガチガチの運動部である)、中学時代に入っていた科学部のことだけど。本書に出てくる図書部の雰囲気がまったくそっくりで、図書室の端に併設された部室と、理科室の隣にある理科準備室の共通性が実に高い。読んでいて、化学薬品のツンとした匂いが蘇ってくるようだった。
もっとも、図書室つながりなら小学校時代を思い出すべきなのかも知れない。隙あらば図書室にこもって、小説を片っ端から読み漁っていたのだし。ハインラインに出会ったのもその頃。通信簿に「ただくんは本ばかり読んでいて友達と遊びません」とか書かれていたのだが、親は放置してくれていた。
って、なんじゃこら。書評でもなんでもねぇ!
さっき帰ってきてフィードを見て、鼻から何かを吹き出しそうになりました。ちょっと、見ない取り合わせなので(笑)。
そうか、図書館と部室つながりですね。わたしも美術部だったので、準備室の風景みたいのを思い出します。毎日のように通った図書館も(こっちはやはり小学校の)。なにか、郷愁を呼び起こしますよね。今度普通の感想も是非。
小学校の時に図書館入り浸りは基本。友達と1年間で図書カードを何枚作れるかを競ったものです。
今にして思うと図書館にモーリス・ルブラン全集が置いてあったのが、今の嗜好を形成する一因になっていた気がします。父の書棚にベスターの「分解された男」があったのを覚えているので、遺伝要素もあったかも(笑)。
文化部モノが好きなら米澤穂信さんの「古典部」シリーズなんかどうですか?
> にじむ
(表紙裏に書いてある)後日談の方が間違いなく小説向きなのに、あえて起伏の少ない日常だけで一冊書いちゃう長嶋有は、変な人ですねぇ。他のオススメあります?
> tokoya
うーん、ミステリに手を出すのは最後の手段にしようと思ってるので(笑)、「古典部」シリーズは本当に読むものがなくなってからにします。
んー、今夏映画になった「ジャージの二人」、それで気に入れば「パラレル」はいかがでしょう。短篇集なら「タンノイのエジンバラ」がお気に入りです。どれも文庫になってますよ。
長嶋作品なら「サイドカーに犬」、面白いですよ。普通小説(?)というジャンルの分け方は面白いですね。SFでも文芸でも文学でもなく。