ただのにっき
2008-03-03(月) [長年日記]
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神は妄想である―宗教との決別(リチャード・ドーキンス)
実績的にも文句なしの世界的に著名な科学者が、まったく空気を読まずに神をフルボッコにする本。……という説明は不要なんだろうなぁ、けっこう売れてるみたいだし。手元にあるのは発売2ヶ月で第4版(刷じゃなく?)。
この本の目的は有神論者を無神論に転向させることではなくて(そういう人たちはそもそも本書を手に取りもしないだろう)、信仰を持つことが当たり前とされているような土地で虐げられている無神論者たちに対して強い味方がいることを知らしめることだ。ようするにアメリカとか、イスラム圏の国々に住む無神論者が読むととても勇気付けられる。なにしろ彼らは孤立しているので。でも日本でもよく読まれてるのは不思議だね。誰が読むんだろ。
ちなみにおれは、青少年期をボーイスカウトで過ごし*1、にもかかわらず無神論を貫き通した経験を持つので、間違いなく本書のターゲットである。あー、面白かった!!
ま、そんなに堅苦しい本じゃなくて、なにしろ「銀河ヒッチハイクガイド」の引用から始まってるんだから、(少なくとも日本では)肩の力を抜いて読めばいいんじゃないかな*2。
たとえば、前半の多くは「進化論vs創造論」にあてられているんだけど(もちろん創造論は完膚なきまでに叩きのめされるわけだが)、ソフトウェア開発者としてのおれは、これを「インクリメンタル開発vsウォーターフォール開発」として読んで、このアナロジーがたいそう面白かった。
先日のアジャイルプラクティスの書評で、こんなことを書いたけど:
アジャイル開発手法が正しいと証明した人はまだいないし、おそらくそれは不可能だ。一方、社会システムの多くが非アジャイルで開発されていて、まがりなりにもうまく動いているわけで、アジャイル陣営は「こっちのやり方でもうまくいく」という事例を積み上げていくしかない。
実はアジャイル手法が非常にうまくいった事例があって、それが生物の進化なんだよね。生物は刻々と移り変わる環境(要求仕様)に対して、さまざまなトライを重ねる(コードを書く)んだけど、自然淘汰(テスト)によって環境に合致したものしか生き残らない。これに対して、すべてを知りうる全能の存在(設計者)が、現在の生態系を作り上げるなんてことは、論理的にほぼありえない。
そんな進化とソフトウェア開発のアナロジーは、たとえば「設計の終焉?」なんかでけっこう前から語られているし、最近では『
だから、アジャイルやってる人たちは自信を持っていい。他の手法では誰もなしえないほどの実績が自然界にあるんだから。
■ 三菱が携帯電話から撤退したのはおれのせいじゃない!
このニュースが流れたとたん、
三洋に続いて三菱まで撤退させるとは。iPhone買ったらAppleも撤退するぞ。
みたいなことを言われた。うわぁぁん。
で、帰宅したらかみさんから、
すごいね、百発百中じゃん。
とか言われる始末。百発百中じゃない、三発二中だ!!: