2007-04-19(木) [長年日記]
■ 9784150308810
連載で読んでいたからいいやと思って単行本はパスしたんだけど、文庫になったら我慢できずに買ってしまった。神林長平の火星三部作、20年ごしの完成。
内容に関わらず、ある特定のシーンがあるがゆえに、その作品を好きになってしまうことがある。本書にもそんなシーンがあって、上巻半ばにある「アートルーパーが人間の少女に文字を教える」シーンがたまらなく好きだ。いかにもSFらしい時間的・空間的に壮大な場面ではない。だが、人間が自らの創造物からものを教わるというその状況が、なんともセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れていて、あぁ、SFやっててよかったなぁとしみじみ思うのである。物語的にもこのシーンはターニングポイントになっていて、最後まで主人公を鼓舞し続ける。このシーンに共感できるかどうかで、本書が楽しめるか否かが分かれると思う。
物語としては、月を失って荒廃した地球から一時的に避難を決めた人類、地球復興の実作業を担当する機械人、機械人を監視するために作られた人造人間アートルーパーの3者をめぐる……と、いかにもSFっぽい設定。だが、その内容は主人公のアートルーパーによるいわば「自分探し」で、ひたすら内省、内省、内省。純文学と言ってもいいくらい。
イーガンあたりなら、100ページくらいの中篇でさらりと書きそうな気がする主題だが、神林はそれに1200ページをつぎ込む。そのある種の冗長さが神林作品の魅力で、おれも神林作品だけは長くてもいいんだが、まぁ、普通に考えれば長すぎるよな。だが、それがいい。
それにしても、三部作の一作目、『あなたの魂に安らぎあれ』を読んだのは学生の頃だ。もう完璧に内容を忘れてるなぁ。読み返そうか。
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2007-04-18(水) [長年日記]
■ OpenCVでナンバープレート認識エンジン!
……を誰か作らないかな、というネタです。
一昨年の夏に書いたナンバープレートなぜ隠す?という記事が急にアクセスを集めていて、何事かと思ったが、どうやらkanoseさんがブクマしたせいで注目エントリ入りしたかららしい。タイムスリップした気分になったぜ。
その後、「ふらっとツイン」の方ではナンバープレートにモザイクを施したアルバムを公開しているけど、まぁ、はっきりいって面倒だね。どうしても公開が遅れてしまう。
で、写真の顔を認識して笑い男のアイコンで隠すサービスがあったのを思い出して、だったらOpenCVでナンバープレートを認識させて、自動的にモザイクかけてくれたらよくね?と思った。ちょっとググったら、ナンバープレート認識まではやってる人がいるようだ。
ここまでできればあと一息だなぁ。誰か作らないかなー。
◆ NT [おめでとうございます。あれからもう一年経ってしまったんですね。]
◆ yamk [おめでとうございます。19年。VSOP とか XO とか付きそうですね。]
◆ kitaj [おめ.そうかもう1年経ったのかー]
◆ yaemon & riko [早いものですね > 一年。 .B は「つぶれた」はずなのになぜかまだ似たような店が同じ場所で営業しています :-)]
◆ すずき [おお、おめでとうございます!]