2007-03-05(月) [長年日記]
■ 排水口の蓋にみるアホな設計
「設計者の顔が見たい」シリーズ〜(シリーズなのか)。
「風呂場の排水口が詰まった」とかみさんに言われて見てみたら、写真のように「上蓋」と「内蓋」が生き別れになった状態で出てきた。穴の形状を見る限り、ここはおそらく、ボルトとナットで共締めになっていたと予想される。ただし、ボルトとナットはすでに流出したあとらしく、発見できなかった。
どういうことかと言うと、本来は図のように、スリットの入った上蓋に吊り下げられたようになっている内蓋が、排水管の上部との間に隙間を作り、ベルトラップ(というらしい)を形成しているのだが、ナットが緩んで落下すると、それとともに内蓋も落下、排水管に覆いかぶさって水の流れを止めると。
なんとまぁ。「ネジなんていつか緩むもの」という発想がない。設計者の顔が見たいよ!
こういうものって、緩んだときにリカバリ可能に設計するのが当たり前じゃないのかね。毎日のように多量の水が渦を巻いて流れ込む場所なんだから、けっこうストレスがかかるだろう。振動も多いだろうから、ネジ止めなんてしてあったら、すぐに緩んでくると思うんだが。
上蓋と内蓋を溶接して絶対に外れない構造にするのもいいだろう。でも分解できたほうが掃除しやすいから、ネジ止めにするのは確かにアリだ。にしても、ナットが下水管に流れていってしまうような構造にするなんて、よほどのアホじゃなかろうか。おれならナットを内蓋に溶接するか、内蓋にネジを切ると思う。
最も簡単な対策はダブルナットですかね。
そんなまじめに脱落しないような設計をするとコストがアップして外国製に負けちゃうからではないでしょうか?
納品時にクレームが出ない範囲で品質を落とせばアフターマーケットも広がりますし
>satot
そうか、ダブルナットなら確実ですね。でも「家庭で気軽に分解掃除できる」という利点を確保しようとすると、狭いところに2本のスパナを差し入れなくてはいけないダブルナットはナシかなぁ。我が家的にはアリですが。
>とおりすがり
設計の良し悪しを論じているところにそういう論点を持ち込む意味はないと思いますが。というか、そんな論理で製品を作る企業はつぶれてけっこう。
爪つきナットという選択もあるかと。
よく知らないんだけど、ステンレス相手に食い込める爪つきナットなんてあるんでしょうか……?
一体にする必要って無かったんじゃないすかね。
ベルトラップのスカートの部分をヒラヒラにしてそのまま置いたら水が流れる部分を確保できるようにするのはどうでしょう?上蓋は上蓋で後から置く。AsOさんも同じ発想ですよね。
…いやいや、メイドさんの趣味はありませんです。
写真で見る限りほとんどトラップの意味がない様なのでこの際ベル部分は捨てても良いかも。つまり目皿だけで良いのです。トラップは封水深が50mm以上ないと意味がありません。それは飾りです。
一体になっていると外蓋を持ち上げればベルも一緒についてくるから、取り出しやすいというメリットがあるかな。実装方法に問題があるだけで、設計は悪くない気がしてきた。
つーか飾りって!(笑) >NOB
でもベルがないと、下水の臭気が上がってきちゃう気がしますが?
臭い止めには少し効いてるかなぁ。戸建てだとお風呂の外には防臭マスというのがあるはずなので臭いが上がるとしたらそのマスからお風呂までのパイプの臭いですね。逆に2重トラップになって流れにくくなるはずですが、外した方が流れが良くないですか?まぁ、その浅さだと有っても邪魔にはならないかもです。
たしかに流れはイマイチ良くないです。そうかぁ、じゃあしばらくベルなしで使ってみようかなぁ。
ええ、その設計の悪さは愚かさからではなく、悪意と拝金主義からきてるのではないかと思うのです。
更にいえば、そういう拝金主義でない企業でないと生き延びることができないのかなと、たださんのいう潰れていい論理で物をつくる企業でないと。
目に付く範囲ですが、まじめにものを作る企業はコストの数倍のタグをつけているような気が。
父ちゃんの世代の良いものを安くっていうものづくりをしてる企業はビックリするようなペースでへってますよね。
とおりすがりさんの論理にはいくつか穴があります。
まずこの粗悪品が国産だと決め付けていること。そして仮に国産だとしても、すぐに同じくらい粗悪な製品を安く作れる国が周りにうようよしていることを忘れている。粗悪品を製造してコストダウンをはかっても、ごく短い延命しかできません。
ただ、家を建てるときに、こういう粗悪品を紛れ込ませてしまう構造(工務店がコスト優先で粗悪品を選択する)には、改善の余地がありますね。
ボルトが緩まないことを目指して設計しているならあんまり問題が無いように見えますよ。
十分なトルクで締めることのできるボルトナットを使えば平気でしょうし、途中までしかネジを切っていないボルトを使いベルトラップをボルトの軸で遊ばせれば負荷も減ります。
ダブルナット、ロックナットや割りピン止め、スナップリングなど更なる対策はそんなに難しいことじゃないでしょうが、そこまでする必要は無いと判断したのではないでしょうか。
その判断が間違っていた可能性は否定できないですが「実はたださんが夢遊病で夜中にネジを外してた」ぐらいの可能性だと思います。
ま、組み立て不良じゃないですかね。
ちなみに家にもベルトラップと蓋をボルトで固定している排水口がありますが、樹脂製のベルトラップに直接ネジを切ってます。しかも「PAT」と刻印されています。具体的にどこが特許なのかわからないのですが、これ系の特許は多いんじゃないのかな?
昔は上蓋だけ無くなった排水口とか学校なんかにあったような気がします。ひょっとしたらくっついてること自体が特許だったのかもしれません。違うかな?
なんか引っ張るなぁ、この話題。
(組み立て不良だろうが)ナットが脱落したら下水管に真逆さま、という設計がダメだと言っているのであって、たれさんのお宅のようにベルにネジが切ってあればなんの問題もないと思います(というか私も本文でそう書いています)。
仮にそのアイデアがパテントで守られていたとしても、脱落するナットでそれを回避した気になっているとしたら、それはやはりダメな設計者でしょう。
内容に関係なくて恐縮なんですが、良かったら作図ツールを教えてください。たださんの使ってるツールなら使いやすいんだろうなぁと思ったもので。
ただの(と言ったら失礼か)OOo Impressですよ。自宅にはそれくらいしかないので。
>たださんの使ってるツールなら使いやすいんだろうなぁと思ったもので
それは買いかぶりというものです:-) でもこれを描くのにかかった時間は20分くらい?
ありがとうございます。プレゼンテーションツールって図が描けるんですね。