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ただのにっき

2007-01-21(日) [長年日記]

「あるある捏造事件」に、ネットの無力さを思う

番組ねつ造:「あるある」に消費者から怒り(MSN毎日インタラクティブ)

「信じていたのに」と絶句するような団体職員(41)はまったく同情の余地はないけど、その次の「会社帰りに毎日買いに行かされて」いた会社役員(65)は気の毒で目も当てられないなぁ。納豆にダイエット効果なんてない(少なくともあることが実証されていない)ことを知りつつも、その事実を隠して増産していたメーカーにも、文句を言う権利はないんじゃないの?

あと、製作会社に責任をおっかぶせてお茶を濁そうという魂胆が見え隠れしているのも気になる。マイナスイオンの例をとるまでもなく、「あるある大辞典」はもともとインチキ盛りだくさんの番組だったはずだ。捏造は今に始まった話ではない。

「あるある大辞典」のインチキさ加減については以前にも書いたな、と思って探してみたら6年前5年前に書いている。その後はあまり自分の生活に影響が出ていないのか、気にしなくなったようだ。ちなみに今回の件は、もともと納豆好きの家族にやや影響が出た。「あるある インチキ」あたりでググると10万件Yahoo!でも8万件。こんな風に、ネット上にたくさんの警句があるにもかかわらず、あの番組に踊らされる消費者はいまだ厖大な数にのぼる。

やれ集団知だ、やれWeb2.0だと浮かれ騒いだところで、あの程度のTV番組に手も足も出ないのだ。Webというメディア上で何らかの影響力を行使できたところでたいしたことではないという現実を、頭ではわかっているつもりだったが、改めて痛感する。TV側がネットに歩み寄らないのは当然だ。自分たちのほうが、はるかに影響力を持ってるんだから。