2006-07-01(土) [長年日記]
■ グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)(マイクル スワンウィック)
本格宇宙SFから、ファンタジー、ポリティカル・フィクションまで、スワンウィックの「性能」がよくわかるベンチマークテストのような短編集。突出した大傑作はないものの、どれも及第点以上で楽しめる作品ばかりだった。太陽系のあちらこちらに、やたらと生命を生み出したがるところも、なんだかオプティミスティックでいい。
イーガンみたいに身構えないと読めない作品もいいけど、こういう質は高いが難しくない短編が継続的に読めたら、そっちの方が嬉しいかも。
無関係な余談。
- 本屋を2件もハシゴしたのに、『シンギュラリティ・スカイ』が見つからない。まさか売り切れてるとか!?(追記:3軒目でやっと購入)
- 新生1470.netは、TrackBackの受付けをやめちゃったのかしらん?
■ 日本ふるさと沈没―ORIGINAL COMIC ANTHOLOGY (ANIMAGE COMICS SPECIAL)(鶴田 謙二 他)
『日本沈没』をネタに、複数の漫画家が自分の出身地に関するパロディを描くという、限りなく同人誌っぽい発想のアンソロジー(だがもちろん、映画の公開に合わせた非常に商業的な企画である)。鶴田謙二が描いてる、というだけで、かみさんが買ってきてくれた。もつべきものは、理解のある妻だな! つーか鶴田謙二、20ページ以上も描いてるし。そりゃ、日本も沈没するわけだよ。でも、小野寺だけを女性化するという絶妙なさじ加減はさすが。
内容はもちろんだが、北から南に出身地別に漫画家を並べるという構成が面白い。何が面白いって、北海道出身の漫画家はみんな面白くて、九州はその次に面白くて、本州はそうでもないということがわかるのが面白い(四国は1人しかいないので比較のしようがない)。地方で育ったほうが、妄想力が強化されるからだろうか(←問題発言)。
とりあえず、あさりさんの特定世代向けギャグが一発でわかってしまった件について、喜んでいいのやら、悲しんでいいのやら。
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その「がちがち」の部分に興味深々です:-) >ishinao