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ただのにっき

2005-12-21(水) [長年日記]

キング・コング

どーせ金ばっかりかけた駄作だろうと思ってたんだけど、なんかすげー評判がいいので、夕べレイトショーを観てきた。21:00開始だから日付の変わる前に帰れると思っていたら、24:15終了だって。長いな、おい。

で、実際けっこう良かった。特撮(←言い方が古い)もすごいんだけど、それより脚本がうまい。凝るところは徹底的にディテールアップして、一方ですごく大胆な省略があり、すごくメリハリがある。「そのジャングルでどうして誰も道に迷わないんだよ」とか「どうやってコングを運んだんだ」とか、ツッコミどころは満載だけど、観ている最中は気にさせない。シーンごとのアピールポイントが明確なんだな。

ウリはもちろん、コングのアクション、特に恐竜とのからみなんだろうけど、それより表情がすごい。特に目の演技、人間でもあそこまで微妙な表情をできる俳優は少ないんじゃないか。あれなら、全配役をコングが演じる映画だって撮れるよ(どんな映画やねん)。恐ろしい時代だなぁ。

発展途上の概念を語るときに「常識」を土台にするのはよそう

MM/Memo上の自分のブックマークに、「TrackBack」タグをつけたエントリが3つもあった。いったいどういう日なのやら。

まずは小飼さんのTBもcommentも受け付けないblogなんて3年前のエントリかと思ったヨ。

ウェブログ(blog)は定義上はPermalinkを持った記事が時系列に並んでいりゃぁいいので、「ただのWeb日記」だって立派なウェブログ。そもそも、TrackBackやコメントを受け付けていないからといって反論を受け付けないと決めつけるのはどうか。反論は、いつでも誰でもどこででもできる。ソーシャルブックマーク上で「死ねばいいのに」とか書いたっていいわけだよ(よくねーよ)。

先日のXML開発者の日でSixApartの平田さんが述べていたが、猫も杓子もTrackBackという風潮は日本独特のもので、SixApartの影響力がそれほど強くないアメリカではTrackBackは決してメジャーな言及通知手段ではないそうだ。昨今ではTrackBackスパムも少なくないので、スパム対策するくらいなら受け付けなくするという選択肢は当然アリだ。さらに最近はコメント欄が炎上することも増えているので、防衛戦略上コメント不可なのは非難されることでもなんでもない。

というわけで、ウェブログに関する「俺定義」を適用しておいて、それを土台に批判をするのはどうかと思った。

残る2つはトラックバック機能はもういらないと、それを受けての言及リンクの無いトラックバックは本当にいけないの?。前者はいくつかのサービスが解説するTrackBackの解説を元に、言及のないTrackBackをやめよという提言だが、そもそも「本来そういうものだから」という理由付けは、比較的新しく使い方が定まっていないテクノロジに使っても説得力がない。だから後者のような反論の余地が生まれてしまう。

後者では以前おれが半年前に書いた言及のないTrackBackの何がいけないのかがリンクされている。この記事はいまだにリンクやTrackBackがあるのだが、どうもこれを「常識」ととらえて論を組み立てる人があとを絶たない。この記事は言及リンクがない場合のデメリットを述べたものであって、常識について述べたものではない(将来常識になればいいなという期待はあるが)。TrackBackの使い方など発展途上なのだから、これを暗黙の了解のように使ってはいけないと思う(常識になっていないからこそ、最終的には技術的な対策をとったのだ)。

ちなみにこのlastline氏は「完全に納得できる内容でないのです」と書いているように、これを常識と見ていない。きちんと自分で価値判断する姿勢は正しいと思う……ので、これからもがんばってスパムにまみれていただきたい。ただ、結論部分は無用に過激に見えるので、(狙っているのでない限り)このたとえ話はやめた方がいいかも。