トップ «前日 最新 翌日» 編集
RSS feed

ただのにっき


2015-04-11(土) [長年日記]

アニメ「シンデレラガールズ」の1stシーズン最終回が素晴らしすぎて3ヶ月も待てない

[スクリーンショット] プロデューサーも入った記念写真

アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」、2クール前半の最終話が放送されて、リアルタイムで観ていたのだけど、そのあとバンダイチャンネルで48時間無料配信という太っ腹もあって、暇さえあれば見返してる*1。初見より、2度3度と観たときの方がぐっとくる。SHIROBAKOといいシンデレラガールズといい、今季は本当にすごい作品に出会えて、満足だ。2ndシーズンは3ヶ月後ということだけど、早くも待ちきれない。

とはいえ、原画どころか第二原画にまで監督自身の名前がクレジットされていることから、after SHIROBAKOな世界に生きるわれわれには現場で何が起きているのかをうかがい知れてしまうわけで(その後の情報でそもそも地方局への納品が間に合ってなかったなんて話もあってバンチャの措置はこのためか)、せめてこの3ヶ月で英気を養って欲しいとも思う……とはいえ円盤向け修正なんかでそれどころじゃないんだろうけど。

じっさい作画はときおり「?」なことがあったけど、シナリオがしっかりしてたのは本当に救いだ。最悪絵はあとで直せるけど、シナリオは直せないもんなぁ*2。今季は、作画はがんばってるのにシナリオがグダグダで、話数が進むにつれて怨嗟の声しか聞こえなくなっていった某大型タイトルを横目でみつつだっただけに、よけいにシナリオの重要性が身に染みる。あらゆるシーンに意味があり、その前には納得のいく伏線がさりげなく張られているという緻密さ。「お約束」に頼らず、それでいて説明過多にならないさじ加減。散りばめられた暗喩の数々……。

1話冒頭シーンみたいなわかりやすいのを始め、OP「Star!!」で蘭子が美波とアーニャの間にいる謎の解決(なんと11話ごしの伏線回収)、そもそも制作発表直後に公開されたキービジュアルの「素足」まで自然なかたちでみせてくれた。そうそう、春から夏にかけての話なのにお約束の水着回すらない。入浴シーンは1カットだけあったけど肩までしっかり湯に浸かってるし。監督が女性だからかどうかはわからないけど、「おまえらこういうのが好きなんだろ」みたいな安易な萌えの押し売りがなく、それでいてフェティシズムへの理解は随所にたっぷりあって(笑)、シナリオだけでなく演出も含め、正しく大人向け作品だった。

素足といえば、ラスト近くで凛が背伸びをするシーン。アニメ的にはあそこで透明なガラスのハイヒールをオーバーレイさせるような安直なファンタジー描写をやりがちだけど、この作品ではハッとした顔のプロデューサーのカットで済ます。もちろん彼には、あそこにシンデレラになった凛の姿が見えているのだけど*3、あえて映像にしない。もちろんここに至る過程でプロデューサーと凛の関係性をじっくりじっくり描いてきたからこその表現だ。こういう抑制の効いた演出のおかげで、深夜アニメにありがちな安っぽさがぜんぜんなかった。でもこれだってアニメでしかできない表現なのだ。

[スクリーンショット] 素足の凛の背伸び

とりあえず円盤買って気を紛らすか……って、それすら2ヶ月後か!! 世間は厳しい……。

アイドルマスター シンデレラガールズ 1【完全生産限定版】(『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS SUMMER FESTIV@L 2015』チケット購入申込(抽選)シリアルナンバー封入) [Blu-ray]
大橋彩香
アニプレックス
¥5,678

Tags: idolm@ster

*1 今月のパケットすごいことになりそう。10GBに拡大してくれたIIJありがとう。

*2 コーディングバグは直せるけど仕様バグは直せないみたいな話だ。

*3 さらに言えばこれは1話で凛が卯月の笑顔にハッとなったシーンとの対比である。凛は卯月の中にアイドルを見出してこの世界に飛び込み、プロデューサーは今回、成長した凛の中にアイドルを見出した。


トップ «前日 最新 翌日» 編集
RSS feed