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ただのにっき


2014-03-22(土) [長年日記]

ホスピスに転院した父を見舞い

末期癌で入院していた親父が、病院でできることはほぼなくなったこともあって、鶴巻温泉病院にあるホスピスに転院したのはおれがアーリントンに行ってる間のこと。今日になってようやく見舞いに行けた。

ホスピスといっても治療をしないだけで病院ではあるので設備なんかは病院と変わりないのだけど、患者がエレベーターに乗って勝手にどっかにいかないように簡単にはボタン操作ができなくなっていたり、スタッフの服装や物腰から病院っぽさが排除されていたりして興味深い。面白いのが、病院だと有料カードで別料金になっているTVや冷蔵庫の利用が料金に含まれていて、娯楽をケチるという発想をしなくて良くなっている点だ。もう何も我慢しなくていいという雰囲気を作っているのだな。

なんて面白がっているのも親父はもう鎮痛剤漬けでほぼ意識がなく、話しかけても反応がないからで、さすがにもう覚悟も済んだのであとは安らかに逝ってくれと祈るだけという状況にあるからなのだけど。だれもが「理想の死にざまはぽっくりだ」とは言うものだけど現実はなかなかそうはいかないもので、かといって治る見込みもないのに延命治療で生きる屍としてチューブにつなぎとめておくのもかわいそうだし、この宙ぶらりんの状態がなんとも居心地が悪い。だからといって「早く死んでくれ」というのとはちょっと違うし。

調子がいいときはまだ会話が成立することもあるらしいので、これからはもう少し頻繁に見舞わないとなぁ。


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