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ただのにっき


2003-08-17(日) [長年日記]

夏休み(5)

ずーーーっと雨だったせいで、いろいろ計画していたことができなかった(というか、やる気になれなかった)。特に部屋の模様替えとか企画していたんだが。悔しいので今日は、リビングの棚を整理。PC関係の雑多なものも、「ゲーム箱」「Palm箱」「Linux箱」の3つに集積(なんだそれは)。

他にもいろいろやりたいが、明日はW32.Blaster対策のために7:30出社なので、早く寝なくては……。

固有IDのシンプル・シナリオ(2)

いくつか例が追加されて、さらにバランスの良い資料になった模様。徘徊老人の話は、法的なバックアップがないと人権問題になると思うけど。まぁ、RFID問題は多かれ少なかれ人権問題か。ともあれ、先入観を捨てて、こういうことが可能な社会になったらどうなるか想像してみると、自分にとってのメリット・デメリットが見えてくると思う。

ところで森山さんのコメントには、問題を矮小に見せるための意図的な誘導があるように思う。RFIDの持つある側面を、それが問題とされない特定の例だけをあげて「それは問題ではない」と言うようなものだ。

携帯電話が問題にならないのは、以下の理由からだ。

  • 使わないことを選択できる(じっさい、自らの意思で携帯を持たない人は少なくない)
  • 位置情報を取得できるのはキャリア業者だけ(信頼できる相手だけに情報を与えている)

つまり携帯電話は、持ち主の意思に関係なく所持させられ、見ず知らずの第三者からスキャンされる可能性のあるものではない。それに、携帯電話は位置情報と引き換えにしても良いくらい利用者にメリットがあるが、RFIDはほとんどの場合、業者にしかメリットがない(このへんはofficeさんの指摘が参考になる)。だからここで、携帯が普及してるから他のRFIDでも問題がないと言うのは無理がある。

数cmまで近づかないと読み取れないSuicaを例に出すことも、問題の本質から目をそらそうとしているようにしか見えない。RFIDには数m程度の距離から読み取ることを意図したものも考えられているはずだ。数m離れても読み取れるなら、物理的障壁など問題にならない。実際、携帯電話の電波は数百m離れても現実に読まれているのだから、どんな根拠で読み取り機のことを「今後、まずできないだろうと思われる」なんて言えるのだろうか。

つまり森山さんの反論は、トラッキング行為の可否を携帯電話を使って、第三者によるスキャンの問題をSuicaを使って論破しているように見えるが、RFIDはこれらの特徴だけを持つものばかりではないのだから、一般化できるものではない。RFIDの特徴は(結城さんの資料を読めばわかるように)とても広範なので、特定のデバイスだけを例示して論じるのは危険だ。で、RFID推進派(特に業者)はこういうことをする傾向が強いように思う。だまされませんよ、ふふふ。


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