ただのにっき
2018-09-15(土) [長年日記]
■ 大江戸Ruby会議07へ行ってきた
今年(?)の大江戸Ruby会議はAsakusa.rbの10周年ということで*1、キーノートなんかはわりと振り返り的な話題が多かった。自分でも面白いなぁと思うんだけど、年をとったら懐古趣味になって、歴史を振り返るような話題に共感を覚えるようになると思っていたんだが、そうでもないらしい。むしろ「知ってる話をされても時間のムダだ」くらいの勢いだ。なのでそういう話はあんまり響かなかった。もちろん、歴史の話は若者にこそ必要だ。だから若いrubyistの少なくない地域RubyKaigiで、一定量の歴史話は必要である。年寄りには必要ないってだけの話。
なので、いつもの生活発表会的なNinjaTalkがどれも楽しかったな。とくに@sinamon129の話にあった「緊急中毒」というパワーワードには笑った。あるある。道具立てはちがうが、15年前に見よう見まねでtDiary.Netの運用をしていたころの経験を思い出した。
今回の白眉は(予定時間を大幅にはみ出して行われた)Ruby 3のキーワード引数について考えるだろう。Asakusa.rb所属のコアコミッタ(matz含む)の大多数が壇上にあがって、キーワード引数の問題と仕様を変更すべきかどうかをディスカッションするという。現状の仕様のあまりに複雑な挙動(仕様バグと言ってもいいと思う)と、その非互換を含む改善案に関する、非常に白熱した議論で、めっちゃ面白かった。個人的には古めのrubyでも動くようにとまだキーワード引数を明には使ってないことを差し引いても、わかりやすくなるなら非互換が出てもぜんぜんかまわないと思うんだけど(1.9時代を生き抜いた老兵の意見です)、それにしても言語デザインの面倒臭さを体験できる有意義なセッションであった。いやー、やりたくないね(笑)。
懇親会には参加せず、浅草寺に寄ったあと(じつは初めて行った)、軽く食べてから帰宅。
*1 大江戸Ruby会議は定期開催ではなく、毎回なんかしらのきっかけになる開催理由がある……ことになっている。