ただのにっき
2016-04-01(金) [長年日記]
■ シンデレラガールズのエイプリルフールがすごかった
昨今はたいして面白くもない嘘ニュースやジョーク企画を義務的にやってる企業ばかりになって、正直この日はネットは見ないで過ごしたいほど。業界的に面白かったのもせいぜいLinux Kernelへleftpadシステムコールを追加しようという提案くらいか。
そんなわけで、そもそもそんな日が来ることも忘れて、寝る前にふとデレステを開いたら、まさかのこれですよ(笑)。いやー、完全に不意打ちだったというのを差し引いてもこれはいい。ちひろの場合、765プロの小鳥さんみたいに堂々と歌うのはちょっと違うよなーと思っていたので*1、夢のなかの出来事にしちゃったのも上手いし、「お願い! シンデレラ」の歌詞に合わせて「夢は夢のままで……」とか言わせてみたりして(これがあとで効いてくるとは「夢」にも思わず)、とにかくサービスとして秀逸。
モバマスの方でも何かやってると聞こえてきたものの、なんか「長すぎる」なんてよくわからない評判も見かけたのでこれは翌朝以降にみようと思って就寝。ま、どうせいつものダイスdeシンデレラみたいなミニゲームでしょ。
……で、翌日になったらなんか「公式がノベマスをやった」とか大騒ぎなわけですよ。「シンデレラパーティ~ドリームステアウェイ~」ってデレパかい(笑)。やたら長いらしいので昼休みに時間作ってみてみたらまぁ、本当に30分以上取られた。取られたけど、たしかにすごい。ちゃんとBAD ENDもあるノベルゲーム。いろんな作品へのオマージュを感じ取れる作りのせいか、人それぞれ「Fateに似てる」だの「これは龍騎」だのと言い合っていて、Twitterではたいそう盛り上がってるのだ。
ただ、バトルロワイヤル的なシナリオはそんなに重要じゃないのかなと思った。これは最後に美穂が幸せな虚構と厳しい現実のどちらを選ぶかという選択の物語なので、どっちかというと映画「マトリックス」の変奏曲だ。赤か青、どっちのピルを選ぶかという。虚構に暮らすキャラクターたちが、虚構に生きるか現実に生きるかを選択するという設定が、ちょうど両者の汽水域での楽しみを提供しているアイマスというコンテンツをメタにあらわしていて実に面白い。
なによりすごいと思ったのが、サイドストーリーを最後までみると、ちひろが「プロデューサー」に語りかけてくるのだ。この「世界」のちひろにはプロデューサーという存在はいなかったはず。だとすると語りかけている相手はそもそも「どの」プロデューサーなのか。美穂が選びとった「現実」に生まれるであろう、ゲーム世界のプロデューサーなのか? それともさらにそのメタ的存在であるゲームプレイヤーである我々プロデューサーのことなのか?
そんなアイマスらしい、虚構と現実がメタメタに入り混じった複雑な状況に思いを馳せてしまうなか、PCの片隅で延々と自動クリックをされていた茜ちゃんメーカー*2はこんな感じに宇宙を茜で埋め尽くしていたのだった:
けっきょく今年のエイプリルフールもアイマスにしてやられたという話。