ただのにっき
2014-04-06(日) [長年日記]
■ THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 1stLIVE WONDERFUL M@GIC!!のライブビューイングへ行ってきた
忌引休暇中に楽しいことをすると腹をたてる人がいるのでこの日記は公開しないかも知れないし、時間がたったら公開するかも知れない。故人の気持ちを想像すれば自明だと思うんだけど、自分が残した家族には存分に楽しい人生を送って欲しいと考えるはずで、ゆえに喪中という概念はほんとにクソだ。だからおれは気にせず人生を楽しむ。
2月(もう先々月!)のSSAですっかりアイマスライブに味をしめてしまったので、シンデレラガールズ(以下デレマス)の記念すべき1stライブにも参加するわけです。本会場チケットは入手できなかったので横浜ブルク13でのライブビューイング(LV)、それも最終の夜公演のみだけど。
30分くらい前に映画館に着くと、すでに入場待ち列が形成されていた。おまえら本当に行列が好きだな、指定席なのに。チケットのおまけのドラマCDを受け取ってからその行列を遠巻きに眺めていたら、女性が一人近づいてきてキットカットの袋を差し出してくる。「どうぞ。あの、アイマスの……」「えっ、えー、あ、ありがとうございます」って、わけわかんねえよ!(笑) というか他の映画の客もいるのになんでおれがプロデューサーだってわかったんだよ。
デレマスというのはProject iM@Sの中でも微妙な立ち位置の作品で*1、ソーシャルゲームというプラットフォームに進出するのも初めて、加えて新規アイドルばかり100人以上という大冒険、スタート直後にコケてもぜんぜん不思議じゃないハイリスクな案件だったと思う。いまだにソシャゲだというだけで敬遠しているPが少なくないくらいだし。その後登場したミリオンスターズに本家765組のサポートがしっかりとあるのに比べても、いまだにイロモノ・傍流という扱いはあんまり変わっていない。
そんな微妙なコンテンツを無視できない存在に育て上げたのは累計400万人*2におよぶPたちなわけで、その熱気は間違いなく演者たちに伝わってるはず。1stライブだからといってハンパなことはしてこないだろうという期待は完全に叶えられた。というか予想を軽々と超えてきたね。以下、感想。SSAのはあんな感じにしたけど、今回はソロ順演者別で。
原紗友里 (本田未央役)
ライブで聴きたい曲は? と聴かれたPの7、8割はたぶん「ミツボシ☆☆★」をあげるんじゃないかと思うのだけど、実際、ソロ曲のトップバッターは他に考えられない。「生ける本田未央」みたいな飯屋は、デレマスのムードメーカーとして最高だ。初日は硬さが残っていたそうだけど、最終公演は力も抜けて、ステージを力いっぱい跳ねまわっていた。はー、しっかしほんとミツボシはいい曲。この曲が欠けたらライブの魅力が半減するよね。
山本希望 (城ヶ崎莉嘉役)
写真や動画ではちょくちょく目にしていたけど、生のぞふぃすを見るのは初めて。元気でかわいいし、莉嘉っぽくていいっすなぁ。DOKIDOKIはデレマスの中でもけっこう好きな曲なので生で聴けてよかった。LVなので生じゃないけど!
山佳村はるか (城ヶ崎美嘉役)
デレマスがアイマスの中で微妙な立ち位置にあるとすると、るるきゃんはデレマスの中で一番微妙な位置にいる。デレラジだって本来はニュージェネ3人でやるべきところを、未央のデビューが遅れた余波で投入されてしまったわけで、ライブでもニュージェネが前面に出る演出が多いなか少し脇に追いやられてしまっていて……それゆえに観てる側はかえって応援したくなってしまうのだよな。
TOKIMEKIの振り付けに自分で工夫を入れたりしてすごくがんばってるのがわかるので、いろいろ割り引いて観てしまう……けど音程外しまくりなので歌はもうちょっと頑張ろうな! とは思う……が、終わってから脳内でループする割合が多いのはなぜかTOKIMEKIエスカレートなのが不思議だ。あと、のぞふぃすと姉妹的なからみがけっこうあったのは嬉しかったね。
松嵜麗 (諸星きらり役)
今回のライブに合わせてガチャに投入されたWMシリーズのSRにエピソードがついていて、きらりのシナリオがキャラの内面に踏み込んでいて反則すぎるというか、もう二度と「やたらとやかましい不思議ちゃん」というステレオタイプとしては見られなくなってしまったのですよ。そんなバイアスがかかった状態でライブを観ているので、いちいちれいちゃまの挙動が気になってしまうという。まぁ、そんなことは抜きにしてもれいちゃまはホントにキュートなのだけど。おまけに最後のあいさつで、きらりとは違ったれいちゃまの内面が涙ながらに語られて、よけいにきらりのキャラクタに深みが増したのはいいですなぁ。
黒沢ともよ (赤城みりあ役)
他のイベントに参加してた人たちから「もよちーは化け物だ」という評判を聞いていたけど、ほんとバケモンだわこのコ。今回ダンサーはSSAでも踊ってくれていた人たちだったのだけど、彼女たちとほぼ同じダンスを歌いながらやるのだ。小さい体のどこにそんなエネルギーがあるのか不思議なくらい、そりゃもうすさまじいアクション。おまけに「R・O・M・A・N・T・I・C」の部分でも客を上手に煽るし、ステージ慣れしていてほんとすごい。
最後のあいさつでもトップバッター、涙ひとつみせず立派にこなして余裕たっぷり。さすがに歌はところどころ音程が外れたりしたものの、それすらも計算ではないかと訝ってしまうほどのスーパー高校生だった。おかげで、みりあというよりは(ミリマスの)周防桃子がだぶって見える始末。アイマスの看板の重さを意識するような歳でもないし、実際、素はあんな感じなのかも知れない。
五十嵐裕美 (双葉杏役)
ようやく初メデメデ! 会場のコールがないと単独では成立しない曲というのもなんかすごい話だけど、やっぱ楽しいねー。ちゃんと戦略的休憩もあったし。ゆきんこが思いのほか杏っぽくて、ほんとに愛らしいのもよかった。
なので最後のあいさつで泣きだしたときは本当にびっくりした。いやあんた、杏を抜きにしてもそういうキャラじゃないだろうと思うわけじゃん。でも、デレマス勢で最初にライブで歌った話(2年前のマチ★アソビ)や、優秀な後輩たちがぞくぞくと参入してくる話を聞いて、ああこの人もデレマスの持つ独特のプレッシャーと戦ってきたんだなぁとわかってじんわりきた。あとになってシンデレラガールズの仲間についてTwitterでかけがえのない存在と言っているのを見かけて、そうなんだよなぁ、アイマスに関わるとどんどん重みが増してくるんだよねぇ……なんてわかった風な感想を抱くなどしたのだった。
高森奈津美 (前川みく役)
デレマス始めたときから一貫してみくPなのに、これも初にゃーにゃー! 衣装はとうぜん猫耳付きなのは良いとして、しっぽがないじゃーんと心の中でツッコんだけど、代わり(?)に首元に鈴がついていてそれがたいそう可愛かったので良し。CDでは意識しなかったけど、なつねぇはけっこう声量があるなぁ。今回の出演者の中で一番声量があったかも。アイマス声優の中ではひろりんがダントツだけど、個人的に声量のあるシンガーは好きなのでこれは嬉しい発見。
で、10代のもよちーが完璧なあいさつをした直後に、20代後半にもなるなつねぇが泣いてしまって、それもかなりのガチ泣きだったので、これまたびっくり(というか後続のメンバが次々と陥落したのはこれが原因。もちろん観客も陥落)。この人もそういうキャラではないと思っていたけど、一方で彼女がみくになる前からアイマスが大好きな「高森P」だったことを知ってるわけで「あこがれのアイマスの一員として1stライブのステージに立ち、すべての公演をぶじにこなした」という状況で泣くなという方が無理だし、それを知ってるPたちにもらい泣きするなというのも無理な話である。ほんとうに良かったねぇ、高森P。
大坪由佳 (三村かな子役)
かな子はかなり初期に声がついたのに、ゆかちんの姿を目にするのはこれが初めて。腕カバーっぽい衣装の下にある二の腕がどんな感じなのか気になって仕方がないのはかな子と重ねすぎだと思うけど(笑)、それくらいかな子役に似合っていた。昨日の公演でショコラ・ティアラの振り付けの秘密が語られたそうだけど、終わってから知ったので後の祭りなのだった。円盤はよ。彼女もアイマス好きとして知られているけど、そういう意味でいろんなところで感極まっていて、よかったねぇ。
津田美波 (小日向美穂役)
新田美波役と津田美波は別人というややこしい状況だが(ほんとデレマス・ミリマスの人たちはもう名前と顔を覚えるのがもう大変で大変で)、ちょっと垢抜けない感じの美少女で「小日向ちゃんぽい!」と感心していた。客観的には出てくる人がみんな役柄に似ているはずがないので、見ている側のバイアスという他に理由がないわけだが、それでもそういう風に見えるように努力してくれてるのだよなぁということはわかる。Naked Romanceの最後でジャケットと同じポーズをとるあたりなんてすごくニクい。あれでズキューンとやられた。
大橋彩香 (島村卯月役)
はっしーが出てくるだけでステージが2割増しで明るくなる気がする。ソロの「S(mile)ING!」だけでなく、「おねシン」や「輝く世界の魔法」も含め、名実ともデレマスのセンターにしてリーダー。抜群の安定感。
とはいえ、このコも芸歴とアイマス歴が半年くらいしか違わない新人声優なわけで、たいしたものだ。というか、みんなが盛大に泣き崩れているあいさつでも(彼女のポリシーもあって)最後までその笑顔を絶やさなかったのはちょっと怖いくらいにすごい。765組のセンターであるえりりんが、最初は小さくて軽かったアイマスの看板とともに成長していったのに対して、はっしーは最初からずっしり重い看板を背負わされているわけで、その重圧のもとでのあの笑顔。最後の「アイマスですよ、アイマス!」まできっちりこなして、SSAからの継承っぷりに感動もひとしおだ。
青木瑠璃子 (多田李衣菜役)
SSAでハートを撃ち抜かれて以来、るーりぃはおれの中の重要なポジションに居座ってしまったので、客観的な評価なんてできないのだった。Nation Blueでふーりんとめっちゃクールな表情を魅せたと思ったら、直後のTwilight Skyでは満面の笑顔でステージを縦横無尽に走り回る。長い手足を存分に振り回して*3、とにかく目立つ目立つ。るーりぃほんま最高や。
あとこれだけは記しておかねばならないProject Twilight Sky。るーりぃの希望とPたちの団結が実を結んだすばらしいプロジェクト。LVのスクリーンにもしっかり映っていた。主催者側からコントロールされる遠隔操作型のペンライトではなく、自主的なサイリウムでこれをやったアイマスPたちを誇りに思う。
福原綾香 (渋谷凛役)
最初のCDを聴いたときは「え、ド新人? 大丈夫かな、このコ……」とかなーり心配になったものだけど、新しいCDやライブのたびに実力をあげてきてもうすっかり安心して観ていられるもう一人の大黒柱ふーりん。そのハイペースな成長ぶりは、見えないところでの鍛錬があることを伺わせるわけで、努力家なんだよなぁ、きっと。MCではかなり泣いていたけど、歌はきっちりクールに決めてくるプロ意識もなかなかのもの。
凛と同じペースで成長する姿はまさにシンデレラを体現していて、そういう意味で総選挙中間発表で凛が1位になっていたのは象徴的だ*4。このまま第3代シンデレラになっちゃえー、と思わなくもない。
洲崎綾 (新田美波役)
性格的にかなり破綻している人だと聞いていたけど、そもそも(キルラキルの)満艦飾マコと新田美波を両方この人に重ね合わせるのはぜったい無理な気がする。でも歌はなんかすごかった。あまりに完全にCDクオリティだったので「もしかして口パクなんじゃね?」と疑ってしまうくらいに安定した歌唱だったのよ。なんだよ、売れっ子だけあって実力派なのだなぁ。
内田真礼 (神崎蘭子役)
色白の美少女に「蘭子が着そう」なアレンジをされた衣装もあいまって、今回の出演者の中でもっとも役柄が乗り移っていた。MCで泣きそうになったら代わりに蘭子を憑依させて照れ隠しをするあたりなんて、きゅんきゅんしますな。歌も振り付けもまんま蘭子で、いやーええもん見せてもらった感。
早見沙織 (高垣楓役)
楓さんは元モデルのミステリアスな美女(でも中身はおっさん)という設定なので体現することがそもそもハードル高いキャラなのだけど、はやみんは決して美人ではないし、トークもうまくなければダンスもあんまり得意な感じじゃない……となかなか苦労しそうなスペックなのに、その歌声ですべてのネガティブ要素を吹き飛ばしてしまった。曲の途中で拍手が起きちゃうなんて、キングの「隣に…」くらいしか思い浮かばない。アイマスの仲間になってくれてありがとうございますとしか言いようがない。
結果的に 1stライブとしては望外の大成功だったと思うし、LVとはいえ参加できてとてもよかった。彼女たち(特にふーりん)がステージ上で語っていたように、これは到達点ではなくむしろ出発点なので、これからの発展にもますます期待だ。とはいえ、デレマスのゲームは登録人数400万人と数字だけは威勢がいいが、正味のプレイ人数はそんなに増えてないだろうし(10万人くらい?)、最近は課金前提のシステム拡張が増してきていて無・微課金勢にとって厳しい状況。そもそもゲームとして複雑になりすぎているきらいがある。裾野を切り捨てるような状況がソシャゲ的に吉と出るとは思えないのだけど、はてさて。
そういや、LVだしサイリウムはなくていいやーと考えて手ぶらで参加したし、そのとおりなくてもぜんぜん問題なかったのだけど(演者に見えるわけじゃないしな。振ってる人は7、8割くらいだった)、手持ち無沙汰というのは想定外だった。手の置き場所がない(笑)。いやまぁ、空手で振ってても良かっただけど、つくづく何もしていない人間の手は邪魔だなーと思ったね。次回があったらちゃんと調達して行こうと思った。