2013-02-01(金) [長年日記]
■ 鈴木みその『限界集落温泉』をKindleで買い直した
ここしばらくKindleストアのコミックで上位を占めているのですでによく知られていると思うが、鈴木みその『限界集落温泉』が売れに売れて1月だけで累計2万部(作者ブログ)という電子書籍としてはかなりの大ヒット。以前紙版をプッシュした身としては嬉しいばかり。ご祝儀がわりにおれも全巻買い直した。日本のKindleストアで売っているものは愛用のKindle4では読めないんだけど、コミックスならNexus7のKindleアプリの方が読みやすいからね。
あれ、おまえはKindleにかぎらずDRMのかかった電子書籍は買わないと言っていなかったかという指摘は半分正しい。これも作者のブログからになるが、「1度電子書籍で買ってくれた人に対しては、一生同じ本を2度買う必要なし」と言っているからだね。こういう人は応援しなくては。
というか、「作り手」としてこの感覚がごくあたりまえだと個人的には思うんだけど、これが「売り手」の手に渡って商品になるととたんに違うものになってしまうのが不思議なところだ。以前(2009年)、(CDを)車でも聴きたかったらもう1枚買えと言ったJASRACの人がいたけど、それがいまでは音楽データはDRMフリーが常識の時代に。電子書籍も早くそうなるといいですね。ダウンロード制限撤廃とかいってふんぞり返ってるんじゃねーよ、と。
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2013-01-30(水) [長年日記]
■ 時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)(R・F・ヤング他)
昔の文庫本は字が小さいので(これ以上視力が悪くなる前に)片づけちまおう……というわけで古いのを発掘しております。2009年発行(←そんなに古くなかった)、日本オリジナルの時間SFアンソロジー。
解説の冒頭で「『夏への扉』や『たんぽぽ娘』が人気なのは日本だけなので日本人向けにロマンチックな時間SFばかり集めた」と身も蓋もない動機が書かれていて吹いたけど、いやでもそうだよなー、どんなややこしいタイムパラドックスがくるのかと身構えてする読書は疲れるもんね。というわけで、タイムトラベルを可能にする技術的屁理屈をこねることもなく、タイムパラドックスの迷路に誘い込むこともない(あっても単純な)、ほんわかした短編がメインの、たいへん心に優しい作品集でした。
この手の作品集には欠かせないヤングやフィニイの作品はもちろん言うまでもない良作なんだけど(ヤングの作品はものすごいオールドファッションな作りなのに、時間ものならではのすばらしい結末)、他の作品もいい味わいのものばかり。やはり時間モノは結末に「おおっ」てなるのがいい。冒頭の『チャリティのことづて』もそんな感じで、時を隔てたボーイミーツガールが、実にいいのよ。
かといって画一的なわけではなく、どの作品もバリエーションに富んでいて、飽きない、良質なアンソロジー。
2013-01-29(火) [長年日記]
■ tDiary 3.2.1リリース
恒例、3ヶ月に1回の肉の日リリース。3.2.1になった。今回のリリースもほとんど何もできんかったよ。帰宅が深夜だったこともあってリリース作業もぜんぶ@hsbtにやってもらってしまった。プロジェクトを完全に乗っ取られる日も近い(笑)。
バグfixや性能チューニングが主な変更だけど、ツッコミ欄にemojiが使えるようになったりなど、楽しい系の変更も入ってる。emojiで使える文字はEmoji cheat sheet for Campfire and GitHubを参照、でいいのかな。
個人的には「リンク元」の表示をAjax化したlazy_refererプラグインがcontribに入ったのが大きい*1。性能問題で有効に使えなかった本日のリンク元を復活させられたのは嬉しい。refererの可視化はtDiaryのアイデンティティのひとつだしな。もっとも世の中HTTPS化が進んで、refererから取れる情報はどんどん減っているのだけどね……。
*1 いずれcoreに移動する予定。
◆ タロー [収められているジャック・フィニイ作品のタイトルを教えて頂けないでしょうか。]
◆ ただただし [『台詞指導』ですね。]
◆ タロー [有難うございます。多分、まだ読んでいない作品だと思いますので、どこかで買い求めます。]