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ただのにっき

2012-07-17(火) [長年日記]

ついに「電子献本」の時代がきた──オライリーが開いた未来

(タイトルがおおげさすぎる気もするけどまぁいいや)

ありがたいことに年に何回か「献本したいので送り先の住所を教えて欲しい」という連絡をもらう。中にはいきなり以前教えた住所に送りつけてくるところもあって、これはこれで楽しい驚きでいいのだけど、こういう問い合わせをもらったら最近はまず「電子データで下さい」と返事を出すことにしている。

もらう立場にいながらなんたる傲慢というかわがまま言い放題すぎるだろと思わなくもないが(思えよ)、Kindleを入手してから1年半、ほぼ紙の本を読まない生活を達成*1している身としては、もはや自炊すら面倒なのですよ。何回目か知らないが電子書籍元年というからには紙と電子は普通に同時出版であるべきだし、たとえ献本であっても好きな方を選べるべきだと思うのだよね。

とはいえ、たいていは「電子書籍化の予定はまだありません、すみません」「ぐぬぬ」みたいなやりとりがあって、紙のままで送ってもらうのだが(いちおう礼儀として即自炊しちゃうけどいいか、とは聞いておく)、先々月のそれはちょっと違った。「またそんな未来の話を……」「未来の先取りといこうじゃないか」「ちょっと(出版社に)聞いてみます」みたいなやりとりの末、「3ヶ月後の電子版リリースまで待ってくれれば送る」ということに。ヤッター!

……というわけで、本日リリースのEbook版「リーダブルコード」が、めでたく「電子献本」されたのであった。3ヶ月待ったかって? とんでもない、1ヶ月切ってるし。オライリーの中の人がそうとうがんばってくれたらしい。たとえオライリーといえこのペースはかなり無茶したんじゃないかなーとは思うが、現在紙版はあちこちで在庫が払底しているようだし、電子版が早々に出たことで販売機会の喪失も回避できて、結果的には多くの読者に喜ばれたんじゃないでしょうか。

献本というと普通は発売日より前に届くものだけど、あれは流通のタイムラグのせいなので、電子版の場合は発売と同時なんだね。もちろん戦略的に日程をずらすこともアリだとは思うが、今回はすでに紙版が出ているわけで、変に凝る必要はない。特に今回、献本にあたって既存のシステムをいじることなくうまい具合におれの書棚にデータを送り込んできた仕掛けには感心した。でも、これから電子書店のシステムを開発する人はあらかじめ献本の仕組みを入れておいた方がいいと思うよ(←YAGNIに反する提案)。

で、さっそくKindlizeして、優先順位高めで未読キューに送り込んでおいた。ちなみにcropboxのパラメタは[45, 50, -45, -60]です。

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)
Dustin Boswell
オライリージャパン
¥2,640

Tags: ebook

*1 ただし写真集やイラスト本、マンガはまだ紙の状態で読んでいる。