ただのにっき
2012-06-29(金) [長年日記]
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日本の電子出版を創ってきた男たち (OnDeck Books(Next Publishing))(インプレスR&D)
リンク先はAmazonだが(PODでの出版だそうだ)、もちろん自分は電子版をLibra PROからから買ったのである(こっちは980円)。これまで日本の電子出版に関わって来た人たちへの、OnDeck上でのインタビューをまとめたもの。
ここ数年の「電子書籍元年」(いつまで元年なんだか)よりも前から活動している関係者の話だから、ボイジャーだとかパピレスなんかの老舗はもちろん、青空文庫成立の経緯とか、懐かしくも誇らしい、そしてちょっと悲しい(ガラパゴス的な意味で)話が多くてじつに面白い。EPUB3.0に日本語まわりの仕様を入れる話なんかは、国際化に挑むにあたってのノウハウがすごくて、やっぱ国内の「常識」で動いてちゃダメだよなーとしみじみ感じる。
あと、権利まわりの仕事をしている人の口から出るのは既得権益を持つ業界内の談合を肯定するばかりで、読者の利益のことがぜんぜん出てこないのに苦笑したり。音楽も本も海外勢にやられっぱなしな理由が、なんとなくわかった気がするね。