ただのにっき
2011-10-07(金) [長年日記]
■ 「DRMをかける書店からは電子書籍を買わない」というポリシーは貫けるか
長谷部誠の「心を整える。」が電子書籍化というニュースをみて、以前からちょっと読みたかったこともあり、おまけに印税は被災地に寄付とのことなので、ベストセラーは読まない方針を曲げてじゃあ買ってみるかと思ったのだ。
で、並んだ電子書店の中から特定端末前提ではない書店としてhontoがあったのでログイン(なぜかアカウントを作ってあった)。XMDFって書いてあるから普通にブンコビューアで読めるだろうと思ったが、ふと不安がよぎったので対応デバイス・環境についてを読んでみたら妙な記述が:
すでにPCにダウンロード済みの本につきましては、そのままお楽しみいただけます。
PC向け「honto」アプリでも閲覧可能です。
「すでに」って? 「PC向けhontoアプリ」ってなんぞ?
で、ぐぐってみたら「hontoのPC向けXMDF/ドットブックがDRMフリーをやめて端末紐付に変更した」なんて記事を見つけたわけです。うわー、ヤバいヤバい。あやうくDRM付き電子書籍をつかまされるところだった。XMDFって書いてあるからってなんでもOKってわけじゃないんだなー。本屋が潰れたら読めなくなる本なんて誰が買うかっつーの。その足で即、アカウント消去。
そういえばけっこう品揃えがいいBookLive!も、調べてみると電子書籍販売サイト:BookLive! - そのDRMにあるように相当ひどいらしく、こっちはアカウントを作る前に踏みとどまって良かった良かったてなもんだ。
こんな調子でDRMを避けていたら、最終的にどこの書店からも買えなくなってしまう気がする*1。もちろん、技術系出版社の多くはDRMをかけない方向なので安心だけど、Spece Town亡きあと、小説は今のところ安心して買えそうな書店はパピレスくらいだろうか*2。書店として理想的なのはパブーだけど、プロの作品はまだまだ少ないし。なんとも、お先真っ暗だのぅ。
先日、今の電子書店は本を消費財としか考えていない人向けという指摘をしたが、上でリンクしたこの電子書籍下さいでも、同じ危惧を表明している(→気付いたら1年.. 今後のテーマは "保存" だ!!)。別におれひとりがDRMのかかった本を買わない決心をしたところで、この傾向に歯止めがかかるとは思えないけれど、著作権保護を訴えるときは「文化、文化」とうるさいくせに実際売ってるのは「消費財」という、あからさまな裏表っぷりはどうにかして欲しいよ。
ちょっと期待してしまうのが今日発表になったYahoo!ブックストアだけど、日本の電子書籍を取り巻くこの状況をYahoo!が単独でひっくり返せるとは思えないしなぁ。