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ただのにっき


2011-06-18(土) [長年日記]

検索と発見のためのデザイン ―エクスペリエンスの未来へ(Peter Morville)

なんだか妙にくだけた口調で始まって、おかげでかえって何が書いてあるのかよくわからず、「こりゃ失敗したかなー」と思いつつ読み進めていたが、中盤の「検索のパターン」はなかなかよくまとまっていた。よくよく見てみたら原題は「Search Patterns」で専用のサイトまである。

アレグザンダーまで引用してのパターン集は、現代のWebサイトで実際に提供されているさまざまな検索エクスペリエンスを10個のパターンに分類、豊富な事例も交えて使える場面、ユーザにとってのメリット・デメリットがけっこう詳しく述べられている。原題の方が直接的でよくわかったんじゃないかな。

まぁ、著者たちも白状しているようにパターン「ランゲージ」としてはまだまだ未完成だが、自サイトに検索を組み込むにあたって何が必要なのかを整理するには悪くない。いまだに「単純な検索窓に詳細検索オプションてんこ盛り」みたいなのを出してくるデザイナや開発者に、黙って差し出すには良いんじゃないだろうか(下手な「Advanced Search」は典型的な失敗パターンである)。

終盤は「検索から発見へ」というパラダイムシフトがおきるという設定のもとに、五感で入出力する検索体験を始めとしたいささか壮言大語気味のエッセイ。邦題からはこっちがメインのように思えるが、まぁ、話半分に聴いておくかという感じ。いや、こういう立場の人たちが未来を語るのはいいことだと思う(けど、現場はそうとばかりも言ってられないしね)。

Tags: book

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