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ただのにっき

2011-02-12(土) [長年日記]

映画「ソーシャル・ネットワーク」を観てきた

けっこう評判いいから期待して観に行ったんだけど、うーん、どうだろ。「wget」とか「Perl」とか「Apache」なんて言葉が飛び交う序盤は、自分がIT業界にいるという理由を抜きにしても、スピード感があって面白かった。でも中盤以降の展開はどーかなー。

Facebookがなんでこんなにも人々を引きつけたのか、どうしてこんなにも素早く成長したのかがさっぱりわからない。単にザッカーバーグの変人ぶりに焦点をあてて(といってもそんなに変人というわけでもない)、人間ドラマっぽい筋立てにしただけ。映画としては薄っぺらいよなー。一緒に観たかみさんが「新書一冊分」と言っていたけど、まさにそんな感じだ。

……とここまで書いてきて、ふと思った。日本(とFacebookが十分普及していない国々)を除いた他の上映国では、観客の多くがすでにFacebookユーザで、Facebookの魅力なんていちいち描く必要がないのではないか。だったらむしろ「こんなに楽しいFacebookを作ったザッカーバーグってどんな人?」という興味が主体になるはずで、そんならこの方向の脚本で正解だし、逆に日本人が観て「?」となるのも当然か。

とはいえ、「友達だから」とか「同じハーバードの学生だから」というあやふやな信頼関係を逆手にとって騙す手口は「ソーシャル・ネットワーク」というよりむしろ「ソーシャル・ハッキング」というタイトルが似つかわしい。だいいち、ラストシーンが暗示するように、ザッカーバーグの「友達」なんて映画の開始時点からビタイチ増えてない(むしろ減ってる)わけで、この脚本、相当悪意に満ちているんじゃなかろうか。映画はザッカーバーグに取材せずに作られたという話を読んだけど(本当かどうか知らんけど)、だとしたらこんな映画の公開を許可してるザッカーバーグはなかなか度量の広い人物だよね。

PS ところでfacemash.comとkittenwar.comは、どっちが先なんですかね? どうみても同じアイデアなんだけど。


DVDは早くもAmazonに並んで注文開始待ち:

ソーシャル・ネットワーク 【デラックス・コレクターズ・エディション】(2枚組) [DVD]
ジェシー・アイゼンバーグ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥2,480

書籍の方が面白いという話もよく聞く。買ってみるか:

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
デビッド・カークパトリック
日経BP
¥1,980

と思ったら原作はこっちらしい! 表紙にだまされるよなー、これは:

facebook
ベン・メズリック
青志社
¥1,760

Tags: movie