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ただのにっき

2010-11-26(金) [長年日記]

Jコミから「ラブひな」を全14巻おとしてみた

漫画家の赤松健が開設した「Jコミ」から、彼の代表作である「ラブひな」全14巻のPDFファイルを入手した。さっそくKindle3に入れてみたのが上の写真。扉絵なのでけっこうきれいに見えるが、本編の字はコントラストを最大にすれば読めなくもないけどかなりつらいという感じ。もっともこれはKindleのPDF表示が画面をいっぱいに使ってくれないのがいけないので、いずれファームの更新なんかで改善されるといいなぁ*1

それにしても絶版本を無償で配布、収入源は広告のみというアイデアは、(成功するかどうかは別にして)すばらしい。「日本の誇るマンガ文化を守り、正しく未来に残したい」というサイトコンセプトがまたいいんだ。ユーザと共有できるビジョンをきちんと表明してる。これができてないサービスのいかに多いことか。

書籍にしても音楽にしても、電子媒体がもっとも合うのは「絶版もの」だと以前から思っていた。売れ線の新刊でもなく、著作権の切れた作品でもない、読みたい/聴きたい人がまだ大勢いるのに店舗では入手できないこういう作品が、電子媒体によって簡単に入手できるようになるべきだ。少なくとも著作権保持期間延長なんていう、ごく一部の大物コンテンツが延命できるだけで文化的な面ではほっとんど実効性のない提案なんかよりよっぽど意義がある。この試みは本当に成功して欲しいなぁ。

そのためにはちゃんと収益になるようになるべきだとは思う。収益は全額作者へということだけど、これだといつか疲弊してしまう。ちゃんとJコミが儲かる仕組みも探るべきだと思うし、場合によっては有料販売だって視野に入れるべきだろう。今回の「ラブひな」に入っている広告はどうみてもターゲットを外しているものも少なくないので、広告主をがっかりさせないためのマーケティングだって必要だ。

と、前途多難だとは思うけどマジでがんばって欲しい。とりあえずリスペクトを込めて、今まで一度も読んだことなかったけど「ラブひな」は全部読む。

Tags: kindle ebook

*1 ImageMagicなどで画像を抽出してKindleサイズにリサイズすればかなりきれいになるし、しっかり読めるようになる。ただし規約上PDFファイルを改変することは認められていないので、この手はおおっぴらには使えないのだが。