ただのにっき
2010-02-28(日) [長年日記]
■ Web閲覧者の「視野」は狭いのだ
楽天ブックスにある「ペンギン夫婦がつくった石垣島ラー油」のレビューが面白いと、TwitterでRTされていたので読んでみた(最初に盛り上がったのは半年近く前のことらしい。知らなんだ)。これは本なのに、ラー油そのものだと勘違いして買ってしまった人たちが、レビューでそのことを訴えているのだ。おかげで評価は最低で、著者には気の毒なことになっている。
ブクマコメントなんかをみると、やれ「情弱」だの「なんで間違えるんだ」だの、こっちもひどい評価のオンパレードだが、これは間違えちゃった人を責めるのは酷だよなぁ。あらかじめ「解答」を知った状態でこの商品ページを見れば、たしかに店名は「楽天ブックス」だし、「本」というアイコンが商品名のすぐ上に出ているのだから、間違えようがないように見える。
でも、普通に何も予備知識がない状態で楽天市場から検索して、本物のラー油に混じってこの本がリストアップされていたら、流れで買っちゃってもぜんぜん不思議じゃない。普通の商店でラー油と本が同じ場所に売ってることはありえないし、実際に手に取ればそれが本だということはわかるけど、ECサイトでは簡単に間違えうる。楽天に限らず、やはり複数のジャンルにまたがるラインナップをしているAmazonでもそうだ(というか、デザインの変化がほとんどないAmazonの方が間違えやすそう)。
それくらい、Web閲覧者の「視野」は狭いのだということを、(少なくともWeb上で情報提供する側になる人は)知っておいた方がいい。この「視野」は目で見えている範囲という意味だけでなく、自分が見たいものが見えていると信じたいという「心の視野」も含む。「ここにラー油が売っている」と思い込んでしまった人の決心を変えることはそうとう困難だ*1。
そういえば今日は、チリ地震による津波関連でもやはり似たような視野狭窄が起きていた。何年も前のプーケットで撮られた津波ビデオが、「今日のハワイで撮ったもの」と偽ってYouTubeにあげられ、TwitterでまたたくまにRTされまくってた。これも「知人・友人の発言は信じたい」という思いが、裏をとらずに脊髄反射的にRTさせてしまってるということだよなぁ。
*1 という観点から、まぎらわしい商品を並べてしまった楽天ブックスは、ルールを曲げて返品に応じるべきだよなぁ。