ただのにっき
2008-04-11(金) [長年日記]
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空の中(有川 浩)
「図書館戦争」のアニメも始まったことだし(まだ見てないけど)、このまま積読箱に入ってる有川作品を全部読んじゃおうかな! ……と思ったら『別冊図書館戦争』とか出てるし。商売熱心だな、メディアワークス。読むほうが追いつかん。
で、陸海空自衛隊シリーズである『塩の街』や『海の底』と同じようにこの作品も「軍人と少女の恋愛モノ」かと思っていたらさにあらず(以下、もう3年半も前の作品なのでネタばれとか気にせずに書く)、こんどは女性自衛官ですよ! しかもF15Jパイロット! 萌える!(←間違ってる。いや間違ってないのか)
でも「女性自衛官と少年の恋」じゃないんだよな。有川作品って、そういうところは保守的だ。そういうところも含めて好きだけど。そんなわけで、恋愛小説的な面はかなり希薄。もちろん、そこかしこでグニャグニャできる。とくにエンディングはニヤニヤ。
一方でSF的側面は他の2作品に比べて高いかも知れない。上空2万メートルに生息する謎の知的生物とのファーストコンタクト。ただ、相手は日本語を解するのでコンタクトシーンには重きを置かず、それよりはその後の展開がなんというか、真剣なのにユーモラスで、『イリーガル・エイリアン』っぽい。バカバカしくて楽しめた。
このシリーズはいちおう「怪獣モノ」でもあるということで、『MM9』や平成ガメラみたいな怪獣シミュレーション的面白さも狙ってるんだろう。ただ、あくまで物語を進めるためのご都合主義的な流れの中で展開するだけので、あんまりそういう狙いは成功していない。ストーリー展開には目くじら立てずに、軽い気持ちで読むのが吉。
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