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ただのにっき

2007-10-21(日) [長年日記]

魔法使いとランデヴー―ロケットガール〈4〉 (富士見ファンタジア文庫)(野尻 抱介)

大騒ぎして買ったわりには読むのは遅かったりして。ちなみにAmazonではまだ品切れ。リンク貼るのも虚しいよ……。

既発表短編3本と新作中編1本からなる短編集。短編はまぁ、けっこうオーソドックスでオールドファッションな宇宙開発SFなんだけど、こういうのがラノベ系の雑誌に載れるんだねぇ。日本の未来は明るい? (最後の短編の)ISSの行く末みたいな描写が、妙に生々しいのがおかしかった。

メインとなる中編が、「はやぶさ」へのオマージュだというのは聞いていたんだが、もう、冒頭の「3年遅刻」のあたりでグっときてしまうわけで。ずるいよなぁ。まぁ、内容はそういうことなので(どういうことだ)楽しめばよろしい。

今回マツリがメインの話に見えるが、実際はゆかりの成長がまた一階梯あがっていくのを描くのが主眼だと思う。単なる巻き込まれ型の主人公が(1巻)、自身の中に行動原理を発見し(2巻)、自分のために行動を起こすようになる(3巻)ところまでを描いてきたこのシリーズ。今回、ゆかりは仲間のために行動を起こすところまで進歩した。そういう意味では、グローイングアップ小説の王道と言えるだろう。ジュブナイルはこうでなくちゃ。

Tags: book