ただのにっき
2007-09-09(日) [長年日記]
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iPod touch を予約した
iPod touchの日本語入力プログラムを増井さんが開発したということが明らかになったので、Amazonで16GBモデルをポチっとした*1。いやまぁ、増井さんがAppleに移籍したときから、「増井さんが携わった製品は買おう」と考えていたので、いいんだけどね。
でもまぁ、Appleの新製品だからというだけの理由で買う人はいるだろうけど(というか身近に一人いるのは知ってるが)、増井さんが作ったという「だけ」の理由で買ったというヤツは世界広しといえどもおれくらいなものではないか。
というわけで、使い道がまったく決まってないわけだが、どうしたもんだろうね。何しろ、移動が車主体で(だから移動中にオンラインでなくてもいい)アメリカと違って、電車の中でこそ使いたいしWiFiスポットも少ない日本では、touchを音楽・動画再生以外の場面で使うシーンを想定するのが難しい。ちなみに移動中の音楽再生には今後もshuffleを使うと思う。touchとshuffleではフットワークが違いすぎるし。
案1: ベッドサイドに置いておく
布団にもぐってウェブサーフィンするのにうってつけかも!と思いました。
にインスパイア。常にオンラインにできる環境と言えば、自宅をおいて他にない。ポータブルデバイスだから持ち歩かなければいけないという法はないわけで、ベッドサイドに置きっぱなしでも邪魔にならないネット端末というのはいいかも。
例えば、Google Calendarや天気予報サイトをマッシュアップして、カレンダーに合わせた起床時間に、天気に合わせた音楽を鳴らしてくれるサイトを作ってSafariで監視させておくと、すごく高価な目覚まし時計として使える。
案2: 街で使えるWiFiスポットを確保する
例えばマクドならたいていWiFiが使えるので(あそこはYahooBBだっけ?)、それだけ契約して、ひたすらそこにいるようにすれば、けっこうオンラインでいられる。
……とは言え、もうちょっとマシなものが飲めるカフェを横目に、WiFi目的でマクドに入るのは貧しいよなぁ。FREESPOTはアテにならないことが多いし、山手線の内側ならどこでもで使えるようにするはずだったlivedoorなんて、おれの行動圏内では目にすることも珍しいし。touchが売れて、WiFiスポットが増えると嬉しいんだが。
案3: ……アイデア募集中。
*1 これで年内に予定していたバイクへの投資はなくなりました。
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虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)(計劃, 伊藤)
虐殺「機関」じゃなくて「器官」ってあたりにSOWを感じる、実にいいタイトル。
頭文字Dネタでちょっと笑わせるところはあるものの(あとは笑えないアメリカンジョークも)、基本的には陰鬱で内省的なくら〜い話。主人公はアメリカの暗殺部隊の隊員なんだけど、脳まで筋肉のマッチョでもなく、冷酷非道なロボットでもない。普通に心に傷を持った青年で、薬物とカウンセリングによって感情を抑えながら任務を遂行するというあたりが妙にリアルで、本当にこういう未来が来そうな気がする。
中盤になるまでは「器官」のキの字も登場しない、単にグロいミリタリー小説で、いったいどうなることやらと思ったが、「器官」の正体がわかり始めると、だんだんSFっぽくなってくる。もっとも、こういうネタなら神林長平がはるかに面白く調理するだろうなぁと思うと、いささか物足りない。というか、せっかくのいいアイデアなのに、ぜんぜん深く追求しないので、印象がオカルトどまりなのが残念。
そんなわけでSF的にはそれほどでもない感じだけど、描写力がすばらしいので、読書体験としてはかなり良かった。鮮烈な印象が残る良い小説。ポッドの「肉感」とか、ムンバイのバラックの描写とか、臨場感がハンパじゃない。主人公とジョン・ポールの対話なんかはちょっと青臭くて感情移入しづらいけど、そういう性格の2人なのだからそれもヨシだろう。
あと、これだけは書いておきたいんだが、「オープンソース」という言葉の使い方がすべて間違ってる。単なる「公開情報」の意味で使うなよなー。